変動金利と固定金利どっちが得か【2026年版・シミュレーションで比較】
更新日:2026-09-18
住宅ローンで最もよく聞かれる質問の1つが「変動と固定、どっちがいいの?」です。2026年に入って金利環境は大きく変わりました。変動金利は1%台に乗り、長期固定のフラット35は3.4%台と現行制度で最も高い水準です。2026年9月時点の実勢をもとに、具体的な数字で比較します。
2026年9月時点の金利水準
| 金利タイプ | 金利水準(2026年9月時点) |
|---|---|
| 変動金利(ネット銀行の最低水準) | 0.990% |
| 変動金利(大手銀行の最優遇) | 1.025〜1.525% |
| 固定期間選択10年(大手5行平均・最優遇) | 約3.786% |
| 全期間固定(フラット35・返済21〜35年・融資率9割以下) | 3.460% |
日本銀行の政策金利は、2026年9月18日の金融政策決定会合で1.00%から1.25%に引き上げることが決まりました(賛成7・反対2)。なお2026年9月に大手行が変動金利を0.25%引き上げたのは、それ以前の利上げが短期プライムレート経由で反映されたものです。今回の引き上げが適用金利に届くのは、短期プライムレートの改定を経たあと、各行の金利見直しの時期からになります。
変化が大きいのは固定金利です。長期金利(10年国債利回り)は2026年9月1日に3.005%をつけ、3%台は30年ぶりです。その影響でフラット35は8月の3.290%から9月は3.460%へ。現行制度になった2017年10月以降で最高の水準です。変動と固定の差は2%以上に開いています。
変動金利 vs 全期間固定:シミュレーション比較
借入3,000万円 / 35年 / 変動1.2% vs フラット35 3.46%
| 金利タイプ | 月返済額 | 総返済額 | 総利息 |
|---|---|---|---|
| 変動1.2%(金利が一定だった場合) | 8.75万円 | 3,675万円 | 675万円 |
| 全期間固定3.46% | 12.33万円 | 5,178万円 | 2,178万円 |
金利が変わらなければ、変動のほうが総返済で約1,503万円安い計算です。月々の差も3.58万円あり、固定を選ぶと借りられる額そのものが大きく下がります。
変動が上がっても固定に追いつくのか
「固定は高いが、変動が上がれば逆転するのでは」と考えるところです。変動が上昇していく4つのシナリオで、35年間の総返済額を固定3.46%(5,178万円)と比べました。
借入3,000万円 / 35年 / 変動の上昇シナリオ別 総返済額
| 変動金利の推移 | 総返済額 | 固定3.46%との差 |
|---|---|---|
| 1.2%のまま | 3,675万円 | 変動が1,503万円安い |
| 1.2% → 10年後2.2% | 4,000万円 | 変動が1,178万円安い |
| 1.2% → 10年後2.2% → 20年後3.2% | 4,128万円 | 変動が1,050万円安い |
| 5年ごとに1%上昇(最終4.2%) | 4,742万円 | 変動が436万円安い |
5年ごとに1%上がり続けるという極端なシナリオでも、変動のほうが安く収まります。これは、返済初期の残高が大きい時期を低い金利で通過できるためです。今の固定金利の水準は、それだけ高いということです。
ただし「総額で得」と「毎月払えるか」は別問題
上の試算はあくまで総返済額の比較です。5年ごとに1%上がるシナリオでは、20年目以降の月返済額は12万円台後半まで増えます。総額で有利かどうかと、その時点の月返済額を負担できるかどうかは別の論点です。変動を検討する場合は、金利が2%・3%になったときの月返済額もあわせて試算しておくと比較しやすくなります。
変動金利が得になるケース・損になるケース
変動が得になるケース
- 返済期間中の平均金利が3.4%程度を下回って推移した場合(2026年9月時点の水準は1%台)
- 収入が増え、繰上げ返済で残債を早期に減らせた場合
- 数年以内に売却・繰上げ完済の見込みがある場合
固定が得になるケース
- 変動金利が短期間で3.5%以上まで急上昇した場合
- 収入が不安定で毎月の返済額を確定させたい場合
- 子育て・教育費などで家計が苦しい時期を確実に乗り越えたい場合
「変動 vs 固定」の損益分岐点
変動1.2%とフラット35の3.46%で組んだ場合、変動の平均金利が35年間を通じて約3.46%を超えると固定の方が得になります。逆に3.46%以下であれば変動が有利です。
2024年の利上げ開始前は、この分岐点が1.4%前後でした。固定金利が上がったことで、分岐点は2%以上も上に動いたことになります。日本で変動金利が3%を超えていたのは1990年代前半までさかのぼります。ただし過去の推移が将来を保証するものではないため、この分岐点をどう評価するかは判断が分かれるところです。
すでに変動で借りている方が固定への借り換えを検討する場合は、変動から固定に借り換えるべきか?で諸費用を含めた損益分岐点を計算しています。金利がどう決まるのかについては住宅ローンの金利はなぜ上がる?で整理しました。
選ぶときの判断材料
金利タイプ選択の基準
- 変動が向いている人:収入が安定・繰上げ返済できる・金利上昇にも耐えられる余裕がある
- 固定が向いている人:収入が変動しやすい・毎月の支出を一定にしたい・長期間の安心を優先
- ミックス型も選択肢:一部を固定・一部を変動にすることでリスクを分散
まとめ
2026年9月時点では、変動が1%台、全期間固定が3.4%台と2%以上の差がついています。総返済額で見ると、変動が5年ごとに1%上がり続けても固定より安く収まる計算です。固定金利は返済額が確定する安心と引き換えに、この差額を先に負担する選択になります。差額をどう評価するかは、家計の余裕度と、返済額が変動することをどこまで許容できるかによって変わります。
一方で、変動には「返済額が5年間据え置かれる裏で元金が減らない」という別のリスクもあります。金利が2%・3%になったときの月返済額をシミュレーターで試算し、その金額を払い続けられるかどうかを両方の選択肢について並べてみると、比較の材料が揃います。どちらの数字も負担が重いと感じる場合は、借入額そのものを含めて検討する余地があります。
実際の数字で確かめてみましょう。借入額・金利・年数を入れるだけで、月々の返済額と総コストが瞬時にわかります。
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