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変動から固定に借り換えるべきか?2026年9月の金利で損益分岐点を計算

更新日:2026-09-13

2026年に入って変動金利が上昇したことで、「今のうちに固定に借り換えたほうがいいのでは」という相談が増えています。一方で、2026年9月時点のフラット35は年3.460%と、現行制度になった2017年10月以降で最も高い水準です。

この記事では、変動から固定に借り換えた場合に何がどれだけ変わるのかを、残債2,500万円・残り30年のケースで計算します。数字を出したうえで、どこで判断が分かれるのかを整理します。

借り換えると月々と総額はどう変わるか

残債2,500万円・残り30年のローンを、変動1.2%のまま返し続ける場合と、フラット35(3.460%)に借り換える場合を比べます。

残債2,500万円 / 残り30年 / 元利均等返済

月返済額総返済額
変動1.2%のまま82,727円2,978万円
固定3.46%に借り換え111,704円4,021万円

月々の差は28,977円、総額の差は1,043万円です(金利が変わらなかった場合)。

金利差が2.26%あるため、差はそのまま返済額に出ます。固定に借り換えるということは、この差額を「返済額が変わらないこと」への対価として先に負担するという意味になります。

借り換えには諸費用がかかる

借り換えは新しいローンを組み直す手続きなので、初回と同じような費用が発生します。

費目目安
事務手数料(定率型)借入額×2.2% → 2,500万円で55万円
抵当権の設定登記債権額×0.4%(軽減措置の対象外の場合)
抵当権の抹消登記不動産1個につき1,000円
司法書士報酬3〜10万円程度
印紙税・その他数万円

合計すると60〜80万円程度になるのが一般的です。ここでは70万円として計算を進めます。定額型の手数料(5〜11万円程度)を採用している金融機関もあり、その場合は総額が変わります。

損益分岐点はどこか

諸費用70万円を含めると、固定に借り換えた場合の総支出は4,091万円になります。変動を続けた場合がこれを上回るのは、変動金利が残り30年を通じて平均3.60%を超えたときです。

変動を続けた場合の総返済額(固定3.46%+諸費用=4,091万円との比較)

変動金利の推移総返済額固定との差
1.2%のまま2,978万円変動が1,113万円少ない
5年ごとに0.5%上昇3,324万円変動が767万円少ない
5年ごとに1.0%上昇3,706万円変動が385万円少ない

5年ごとに1%ずつ上がる想定でも、総額では変動が下回る計算です。ただしこの場合、25年目以降の変動金利は6%台になっています。総額だけでなく、その時点の月返済額を負担できるかどうかは別の論点になります。

借り換えの損益分岐点は、残債・残年数・金利差・諸費用の組み合わせで変わります。自分の条件を入れて計算してみてください。

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固定に借り換えることで得られるもの

総額で不利になりうるとしても、固定金利には数字に表れにくい効果があります。

  • 返済額が完済まで確定する:教育費のピークや退職時期と重なる期間の支出が読める
  • 金利動向を気にしなくてよくなる:金利改定のたびに家計を見直す必要がなくなる
  • 上昇リスクの上限が決まる:想定外の急騰が起きても影響を受けない

これらに月28,977円を払う価値があるかどうかは、家計の余裕度と、返済額が変わることをどこまで許容できるかによって変わります。収入が安定していて余力がある家庭と、返済額の増加が即座に生活に響く家庭とでは、同じ数字でも評価が変わります。

判断が分かれるポイント

状況固定への借り換えを検討する材料変動を続ける材料
残り期間が長い(25年以上)金利上昇の影響を受ける期間も長い低金利で通過できる期間も長い
残債が多い金利上昇時の増加額が大きい金利差による負担増も大きい
収入が変動しやすい返済額の確定に価値がある
繰上げ返済の余力がある残債を早く減らせば上昇の影響も減る
数年内に売却・完済の予定諸費用を回収できない可能性が高い

借り換え以外の選択肢

  1. 繰上げ返済で残債を減らす:残債が減れば、金利が上がったときの増加額も小さくなります。諸費用もかかりません
  2. 固定期間選択型に切り替える:10年固定なら大手5行平均で3.786%(2026年9月時点)と、フラット35と近い水準です。期間終了後は再び変動するため、性質は全期間固定と異なります
  3. ミックスローン:一部を固定、一部を変動にする方法です。金利上昇の影響を半分に抑えられる一方、コストも中間になります
  4. 何もしない:変動を続けるのも判断のひとつです。ただし、金利が上がったときの返済額を把握しておく必要はあります

よくある質問

Q. 借り換えの審査は通りやすいですか?

新規借入と同じ審査があります。借入時より収入が下がっている、転職して間もない、他の借入が増えているといった場合は、審査に通らないこともあります。健康状態によっては団体信用生命保険に加入できず、借り換えができないケースもあります。

Q. 同じ銀行内で変動から固定に変更できますか?

多くの金融機関が金利タイプの変更に対応しており、この場合は数千円〜数万円の手数料で済みます。ただし変更後の金利は自行の固定金利になるため、他行への借り換えより条件が良いとは限りません。両方を比較したうえで判断することになります。

Q. 住宅ローン控除は借り換え後も使えますか?

要件を満たせば継続して適用できます。ただし借り換え後の返済期間が10年以上あることなどの条件があり、借入額が当初より増える場合は控除対象額の計算が変わります。国税庁のサイトか税務署で確認してください。

まとめ

  • 残債2,500万円・残り30年の場合、変動1.2%から固定3.46%への借り換えで月28,977円・総額1,043万円の増加(金利が変わらなかった場合)
  • 借り換えの諸費用は60〜80万円程度
  • 損益分岐点は変動が平均3.60%を超えるかどうか
  • 5年ごとに1%上昇する想定でも総額では変動が下回るが、その時点の月返済額は別途確認が必要
  • 固定には返済額が確定するという数字に表れない効果がある

金利差が2%以上ある局面では、総額の比較だけを見ると変動を続ける計算になります。それを踏まえたうえで、返済額が変わらないことにどれだけの価値を置くかが判断の分かれ目になります。

借り換えの損益分岐点は、残債・残年数・金利差・諸費用で変わります。実際の数字を入れて、何年で元が取れるかを確認してみてください。

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この記事を書いた人

都内在住。Web制作・デザインに20年以上携わり、現在はインハウスでWeb制作や改善業務に関わっています。自身でも住宅ローンを組み、返済や見直しを経験してきました。実体験と調査をもとに、住宅ローンをできるだけわかりやすく整理して発信しています。

参考・出典

※記事内の試算は元利均等返済の計算式に基づく当サイトの独自試算です(2026年9月時点)。実際の適用条件は金融機関ごとに異なります。