住宅購入の諸費用はいくら?内訳を全部並べて3,000万円の物件で計算してみた
更新日:2026-09-14
住宅を買うとき、物件価格のほかにかかるお金が「諸費用」です。よく「新築なら物件価格の3〜5%、中古なら6〜9%」と言われますが、この幅は何でできているのでしょうか。
この記事では、諸費用を構成する費目を一つずつ取り上げ、3,000万円の物件をフルローンで買った場合の金額を計算します。数字を並べると、新築と中古で割合が変わる理由がそのまま見えてきます。
諸費用は大きく5つのグループに分かれる
費目の数は多いのですが、性質で分けると5つです。
| グループ | 主な費目 | 支払先 |
|---|---|---|
| 仲介 | 仲介手数料 | 不動産会社 |
| 税金 | 印紙税、不動産取得税、固定資産税等の精算金 | 国・自治体・売主 |
| 登記 | 登録免許税、司法書士報酬 | 国・司法書士 |
| ローン | 事務手数料、保証料 | 金融機関 |
| 保険 | 火災保険、地震保険 | 保険会社 |
このうち金額が大きく、物件によって有無が変わるのが「仲介手数料」です。新築と中古で諸費用の割合が倍近く違うのは、ほぼこの一項目の差だと言っていい状況です。
3,000万円の中古マンションで1項目ずつ計算する
物件価格3,000万円、借入額3,000万円(フルローン)、事務手数料は定率型、火災保険は5年一括という条件で計算します。
| 費目 | 金額 | 計算の根拠 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 1,056,000円 | (3,000万×3%+6万)×1.1 |
| 印紙税(売買契約書) | 10,000円 | 1,000万超5,000万以下の軽減税率 |
| 印紙税(ローン契約書) | 20,000円 | 軽減措置なしの本則 |
| 登録免許税(土地の移転) | 126,000円 | 土地評価額840万×1.5% |
| 登録免許税(建物の移転) | 32,400円 | 建物評価額1,080万×0.3% |
| 登録免許税(抵当権の設定) | 30,000円 | 借入額3,000万×0.1% |
| 司法書士報酬 | 100,000円 | 目安 |
| ローン事務手数料(定率型) | 660,000円 | 借入額3,000万×2.2% |
| 火災保険・地震保険 | 150,000円 | マンション5年一括の目安 |
| 不動産取得税 | 0円 | 建物1,080万<控除1,200万 |
| 固定資産税等の精算金 | 105,800円 | 年額の6か月分 |
合計:2,290,200円(物件価格の7.6%)
このうち仲介手数料が105.6万円、ローン事務手数料が66万円。この2つで合計の75%を占めています。
物件の種別を変えるとどうなるか
同じ3,000万円・同じ借入額で、物件の種別だけを入れ替えた結果です。土地と建物の価格比率(マンションは土地割合が小さく、一戸建ては大きい)と、新築か中古かで税率が変わります。
| 物件種別 | 諸費用 | 物件価格比 | うち仲介手数料 |
|---|---|---|---|
| 新築マンション(売主直販) | 1,219,000円 | 4.1% | 0円 |
| 新築一戸建て(仲介あり) | 2,391,000円 | 8.0% | 1,056,000円 |
| 中古マンション | 2,290,200円 | 7.6% | 1,056,000円 |
| 中古一戸建て | 2,418,800円 | 8.1% | 1,056,000円 |
新築マンションだけが4.1%と低く出ていますが、これは売主(デベロッパー)から直接買うため仲介手数料が発生しないという前提によるものです。新築マンションでも販売代理の会社を介して仲介手数料がかかるケースはありますし、逆に中古でも売主が不動産会社なら手数料は不要です。「新築だから安い」ではなく「仲介が入るかどうか」で決まっている、と見るほうが実態に合います。
一方で、新築マンションには諸費用とは別に修繕積立基金(引渡し時に20〜80万円程度)がかかることが一般的です。上の表には含めていません。総額で比べるときは、こうした物件固有の費用も足して見る必要があります。
物件価格が上がると割合はどう動くか
中古マンションをフルローンで買う前提で、価格だけを変えたものです。
| 物件価格 | 諸費用 | 物件価格比 |
|---|---|---|
| 2,000万円 | 1,642,133円 | 8.2% |
| 3,000万円 | 2,290,200円 | 7.6% |
| 4,000万円 | 3,010,267円 | 7.5% |
| 5,000万円 | 3,766,333円 | 7.5% |
| 6,000万円 | 4,582,400円 | 7.6% |
| 8,000万円 | 6,094,533円 | 7.6% |
割合はおおむね7.5〜8%の範囲で安定します。司法書士報酬のような定額の費目は価格が上がるほど比率が下がりますが、価格が上がると不動産取得税がかかり始めるため、その分が戻してくるかたちです。「○%」で覚えるより、価格帯ごとの実額を見ておくほうが資金計画には使いやすい数字の動き方です。
いつ、いくら払うのか
諸費用は一度に払うわけではありません。支払時期は大きく3回に分かれます。
| 時期 | 主な費目 | 3,000万円中古マンションの目安 |
|---|---|---|
| 売買契約時 | 手付金、印紙税、仲介手数料の半金 | 印紙1万円+手数料53万円前後 |
| 引渡し(決済)時 | 仲介手数料の残金、登記費用、ローン事務手数料、火災保険、固定資産税精算金 | 約118万円 |
| 取得後(半年〜1年) | 不動産取得税 | 0〜数十万円 |
手付金は諸費用とは別枠です
契約時に支払う手付金(物件価格の5〜10%が一般的)は、最終的に売買代金の一部に充当されるため諸費用には含めません。ただし契約時点では現金で必要になるため、引渡しまでの資金繰りという意味では諸費用と同じように準備が要ります。
現金でいくら用意しておくか
購入時に手元から出ていく現金は、次の3つの合計です。
- 頭金(物件価格 − 借入額)
- 諸費用
- 引越し・家具家電・カーテンなどの入居費用
3,000万円の中古マンションをフルローンで買い、入居費用を30万円と見るなら、229万円+30万円=259万円が目安になります。頭金を300万円入れるなら、これに300万円が加わります。
諸費用を自己資金で払うか、諸費用ローンに含めるかは選べる場合があります。手元の現金を残せる一方で借入額が増え総返済額も増えるため、どちらを取るかは手元資金の厚みと今後の支出予定によって変わります。諸費用ローンを使った場合の増加額は別の記事で試算しています。
まとめ
- 諸費用は仲介・税金・登記・ローン・保険の5グループに整理できる
- 3,000万円の中古マンションで約229万円(7.6%)、うち仲介手数料とローン事務手数料で75%
- 新築マンションが低く出るのは仲介手数料がかからない前提によるもので、修繕積立基金などは別途かかる
- 価格が上がっても割合は7.5〜8%前後で安定する
- 支払いは契約時・引渡し時・取得後の3回に分かれる
物件を探し始める段階で諸費用の実額を把握しておくと、「いくらの物件まで見に行けるか」の線引きがしやすくなります。物件価格と借入額を入れて、自分の条件での内訳を確認しておくと判断材料が増えます。
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参考・出典
※記事内の試算は当サイトの独自試算です(2026年9月時点の税率・慣習にもとづく概算)。固定資産税評価額は土地を実勢価格の70%、建物を60%と仮定しています。実際の費用は物件・金融機関・自治体によって変わります。