比較・判断

新築と中古で諸費用はどれだけ違う?同じ3,000万円で4パターン比較

更新日:2026-09-14

「新築は諸費用が3〜5%、中古は6〜9%」とよく言われます。同じ3,000万円の物件でも、諸費用は122万円になることもあれば242万円になることもある、という幅です。

この差が何でできているのかを、4つの物件種別で項目ごとに分解します。

4パターンの合計

物件価格3,000万円、借入額3,000万円(フルローン)、事務手数料は定率型、火災保険は5年一括という同じ条件で計算した結果です。

物件種別諸費用物件価格比
新築マンション(売主直販)1,219,000円4.1%
中古マンション2,290,200円7.6%
新築一戸建て(仲介あり)2,391,000円8.0%
中古一戸建て2,418,800円8.1%

新築マンションだけが大きく低く、残りの3つはほぼ横並びです。「新築か中古か」では分かれていないことがわかります。

差の正体は仲介手数料

4パターンの内訳を並べます。

費目新築M中古M新築戸建中古戸建
仲介手数料0円1,056,000円1,056,000円1,056,000円
印紙税(売買・ローン)30,000円30,000円30,000円30,000円
登録免許税(土地)94,500円126,000円157,500円189,000円
登録免許税(建物)18,900円32,400円13,500円21,600円
登録免許税(抵当権)30,000円30,000円30,000円30,000円
司法書士報酬100,000円100,000円100,000円100,000円
ローン事務手数料660,000円660,000円660,000円660,000円
火災保険(5年)150,000円150,000円250,000円250,000円
不動産取得税18,000円0円0円0円
固定資産税等の精算金117,600円105,800円94,000円82,200円
合計1,219,000円2,290,200円2,391,000円2,418,800円

新築マンションと中古マンションの差:107万円

そのうち105.6万円が仲介手数料。それ以外の費目の差は合計1.5万円程度しかありません。

つまり「新築だから諸費用が安い」のではなく、「売主から直接買うと仲介手数料がかからない」というだけです。新築マンションでも販売代理会社が入れば仲介手数料はかかりますし、中古でも売主が不動産会社(買取再販)なら不要です。物件広告の取引態様欄で判別できます。

それ以外の費目でも小さな差は出る

登録免許税:土地の割合で変わる

登録免許税は固定資産税評価額に対してかかり、土地は1.5%、建物は新築0.15%・中古0.3%です。土地の税率が建物の5〜10倍なので、価格に占める土地の割合が大きいほど税額が増えます。

物件種別土地の価格割合(想定)登録免許税(土地+建物)
新築マンション30%113,400円
中古マンション40%158,400円
新築一戸建て50%171,000円
中古一戸建て60%210,600円

一戸建てのほうが登記費用は高くなります。マンションは敷地の持分だけなので、土地の評価額が小さくなるためです。

不動産取得税:建物の割合で変わる

逆に不動産取得税は、建物の評価額が1,200万円の控除枠を超えたところから発生します。建物の割合が高いマンションのほうが先に課税されるという関係です。

物件価格新築M中古M新築戸建中古戸建
3,000万円18,000円0円0円0円
4,000万円144,000円72,000円0円0円
5,000万円270,000円180,000円90,000円0円

登録免許税と不動産取得税は、土地寄りか建物寄りかで逆方向に動くため、合計では打ち消し合う部分があります。

火災保険:構造で変わる

木造の一戸建て(H構造)は、コンクリート造のマンション(M構造)より保険料が高くなります。この計算では5年一括でマンション15万円、一戸建て25万円を置いています。差は10万円です。

この計算に入っていない差

新築マンションには修繕積立基金があります

新築マンションでは引渡し時に修繕積立基金(20〜80万円程度)を一括で払うのが一般的です。これを加えると、新築マンションの4.1%という数字は5〜7%程度まで上がります。上の表には含めていません。

  • 中古:リフォーム費用、インスペクション(建物状況調査)費用が別途かかることがあります
  • 新築一戸建て(注文住宅):地盤調査・改良費、水道加入金、外構工事費が加わることがあります
  • 中古一戸建て:給湯器・水回りの更新が近い場合、入居後すぐの支出になることがあります

諸費用として計上される項目だけで比べると新築マンションが低く出ますが、入居までに必要な総額で見ると順位は変わりうるという点は押さえておく部分です。

まとめ

  • 同じ3,000万円でも諸費用は122万円〜242万円と開く
  • 差の大半(107万円のうち105.6万円)は仲介手数料の有無
  • 分かれ目は新築・中古ではなく売主から直接買うか、仲介が入るか。取引態様欄で確認できる
  • 登録免許税は土地の割合が高い一戸建てで高く、不動産取得税は建物の割合が高いマンションで先に発生する
  • 新築マンションの修繕積立基金など、諸費用に含まれない支出もある

物件種別を絞りきる前の段階では、同じ予算で種別を変えると総額がどう動くかを見ておくと、候補の広げ方を決めやすくなります。

4つの物件種別を切り替えて、諸費用の内訳と合計を比べられます。価格と借入額を自分の条件に合わせて確認できます。

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この記事を書いた人

都内在住。Web制作・デザインに20年以上携わり、現在はインハウスでWeb制作や改善業務に関わっています。自身でも住宅ローンを組み、返済や見直しを経験してきました。実体験と調査をもとに、住宅ローンをできるだけわかりやすく整理して発信しています。

参考・出典

※記事内の試算は当サイトの独自試算です(2026年9月時点の税率・慣習にもとづく概算)。固定資産税評価額は土地を実勢価格の70%、建物を60%と仮定し、土地と建物の価格比率は物件種別ごとに一般的な水準を置いています。