比較・判断

住宅ローンの事務手数料型と保証料型はどう違う?3,000万円で比べてみた

更新日:2026-09-14

住宅ローンを借りるとき、金融機関に払う初期費用には2つの型があります。

  • 定率型の事務手数料:借入額×2.2%程度。保証料はなし
  • 定額の事務手数料+保証料:事務手数料3.3万円程度+保証料(借入額×2%程度)

3,000万円を借りるなら前者で66万円、後者で63.3万円。初期費用の額としてはほとんど変わりません。それでも両者を区別して考える必要があるのは、途中で返し方を変えたときの扱いが違うからです。

それぞれが何に対する費用なのか

事務手数料保証料
払う相手金融機関保証会社
性質融資の手続きに対する対価返済できなくなったときに保証会社が金融機関へ立て替えるための費用
繰り上げ返済時戻らない未経過期間分が戻ることがある
借り換え時戻らない未経過期間分が戻ることがある

保証料は「自分のための保険」ではありません

保証料を払っていても、返済できなくなったときに債務が免除されるわけではありません。保証会社が金融機関に立て替えたあと、返済先が保証会社に変わるだけで、支払義務は残ります。生命保険にあたるのは団体信用生命保険(団信)のほうです。

保証料には外枠方式と内枠方式がある

保証料型を選んだ場合、払い方をさらに2つから選べることがあります。

方式払い方3,000万円・35年の目安
外枠方式(一括前払い)契約時に現金で一括約60万円
内枠方式(金利上乗せ)金利に年0.2%程度を上乗せ初期費用0円

内枠方式は初期費用を圧縮できますが、上乗せ分は返済期間中ずっとかかります。金利0.99%・3,000万円・35年で計算すると、

内枠方式(+0.2%)の追加負担

金利毎月返済額総返済額
0.99%(外枠)84,546円35,509,307円
1.19%(内枠=+0.2%)87,368円36,694,591円

35年間完済まで持つと追加負担は約118.5万円。外枠で一括払いする約60万円のおよそ2倍になります。ただし10年で繰り上げ完済するなら追加負担は約33.9万円にとどまり、外枠を下回ります。

期間が長いほど内枠の負担が積み上がり、短いほど内枠が有利に働く、という関係です。どこで逆転するかは上乗せ幅と完済時期で決まるので、自分の予定に当てはめて計算する部分になります。

定率型と保証料型を並べる

3,000万円・35年で、初期費用と総支払額(初期費用+総返済額)を比較します。金利は2026年9月時点の水準から、ネット銀行の定率型0.99%、大手銀行の保証料型1.025%を仮に置きました。

定率型(事務手数料2.2%)保証料型(外枠一括)
事務手数料660,000円33,000円
保証料0円600,000円
初期費用 小計660,000円633,000円
適用金利(例)0.99%1.025%
毎月返済額84,546円85,036円
総返済額35,509,307円35,714,990円
総支払額36,169,307円36,347,990円

この条件では定率型が約17.9万円少なくなりますが、差を作っているのは手数料の型ではなく金利0.035%の差です。初期費用の額自体はほぼ同じなので、比較の軸は「型」ではなく「その金融機関の金利と、自分が途中で何をする可能性があるか」に置くことになります。

途中で返し方を変えるとどうなるか

10年後に繰り上げ完済したケースを考えます。金利0.99%・3,000万円・35年なら、10年後の残債は約2,246万円です。

定率型保証料型(外枠)
初期費用660,000円633,000円
完済時の戻り0円未経過期間分が戻る(数万〜十数万円)

保証料の戻りは残存期間に比例するわけではなく、早い時期ほど戻る割合が大きく、後半になるとほとんど戻りません。保証会社の計算方式によって額は変わり、戻し事務手数料(1万円程度)が差し引かれることもあります。

借り換えも同じ扱いです。保証料型なら未経過分が戻る一方、定率型は借り換えのたびに新しい金融機関へ2.2%を払い直すことになります。借り換えを繰り返す可能性があるなら、定率型は都度コストが発生する型と見ておくと見積もりがずれにくくなります。

どちらを選ぶかの整理

状況影響
35年かけて完済する予定初期費用と金利の総額で比べれば足りる。型の差はほぼ出ない
10年程度で繰り上げ完済する予定がある保証料型は戻りがある分だけ有利に働く
借り換えを検討する可能性が高い定率型は借り換え時に再度2.2%。保証料型は戻りがある
手元の現金を残したい内枠方式(金利上乗せ)で初期費用を0にできる。ただし長期では負担が増える

なお、型を自由に選べるとは限りません。ネット銀行は定率型のみ、大手銀行は保証料型のみという設定も多く、実際には金融機関を選んだ時点で型が決まることがほとんどです。その場合は、型ではなく金利・団信の内容・手数料を含めた総額で比べる形になります。

まとめ

  • 3,000万円なら初期費用は定率型66万円/保証料型63.3万円とほぼ同額
  • 違いが出るのは繰り上げ返済・借り換えのとき。保証料は戻りがあり、事務手数料は戻らない
  • 内枠方式(+0.2%)は35年完済で約118.5万円、10年完済なら約33.9万円
  • 総支払額の差は型よりも金利差で決まることが多い
  • 金融機関によって型が固定されている場合がある

初期費用と金利は別々に提示されるため、合計でいくらになるかは自分で足してみないと見えません。諸費用の合計と毎月の返済額を並べて確認しておくと、比較の土台がそろいます。

事務手数料を定率型と定額型で切り替えて、諸費用の合計がどう変わるかを比べられます。物件価格と借入額を入れるだけです。

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この記事を書いた人

都内在住。Web制作・デザインに20年以上携わり、現在はインハウスでWeb制作や改善業務に関わっています。自身でも住宅ローンを組み、返済や見直しを経験してきました。実体験と調査をもとに、住宅ローンをできるだけわかりやすく整理して発信しています。

参考・出典

※記事内の試算は元利均等返済の計算式にもとづく当サイトの独自試算です(2026年9月時点)。事務手数料率・保証料率・金利は金融機関によって異なります。