諸費用ローンを使うと総額はいくら増える?3,000万円の物件で試算
更新日:2026-09-14
3,000万円の中古マンションを買うとき、諸費用は約229万円かかります。頭金を入れずに買う場合でも、この229万円は原則として現金で必要です。
これを借入でまかなう方法が諸費用ローンです。手元の現金を残せる一方、借入額が増えるぶん返済は増えます。どれくらい増えるのかを数字で確認します。
2つの借り方がある
| 諸費用込み住宅ローン | 諸費用ローン(別枠) | |
|---|---|---|
| 形 | 物件価格+諸費用を1本の住宅ローンで借りる | 住宅ローンとは別に組む |
| 金利 | 住宅ローンと同じ、または+0.1〜0.2%程度 | 年2〜4%程度 |
| 期間 | 住宅ローンと同じ(最長35年など) | 10年程度が多い |
| 住宅ローン控除 | 諸費用分は対象外 | 対象外 |
最近はネット銀行を中心に、諸費用込みで1本にまとめられる住宅ローンが増えています。金利が住宅ローンと同じなら、別枠で年2〜4%を借りるより利息は少なくなります。
いくら増えるのか
物件価格3,000万円、諸費用229万円、金利0.99%、35年、元利均等返済で比較します。
| 諸費用は現金(借入3,000万円) | 諸費用込み(借入3,229万円) | |
|---|---|---|
| 毎月返済額 | 84,546円 | 91,000円 |
| 総返済額 | 35,509,307円 | 38,220,088円 |
| うち利息 | 5,509,307円 | 5,929,888円 |
差額
- 毎月の返済額:+6,454円
- 総返済額:+2,710,780円
- そのうち利息の増加分:+420,580円
総返済額の増加271万円のうち229万円は借りた諸費用そのもので、純粋な上乗せコストは利息の42万円です。現金で払うか、35年かけて払うかという違いになります。
別枠の諸費用ローンだとどうなるか
諸費用229万円を、金利2.5%・10年の別枠ローンで借りた場合です。
| 住宅ローンに含める(0.99%・35年) | 別枠(2.5%・10年) | |
|---|---|---|
| 毎月返済額(諸費用分) | 6,454円 | 21,590円 |
| 返済総額(諸費用分) | 2,710,780円 | 2,590,763円 |
| 利息 | 420,580円 | 300,563円 |
金利は別枠のほうが高いのに、利息の総額は別枠のほうが12万円少なくなります。期間が10年と短く、元金が早く減るためです。一方で月々の負担は3倍以上になり、当初10年間は毎月21,590円が住宅ローンに上乗せされます。
利息を抑えたいなら短期・別枠、月々の負担を抑えたいなら長期・住宅ローン一体。どちらが少ないかは「金利」ではなく「期間」で決まっているという関係になります。住宅ローンに含めたうえで、余裕が出たときに繰り上げ返済する形も取れます。
金利が上乗せされる場合
諸費用込みで借りると金利が+0.2%になる金融機関もあります。その場合は物件分にも上乗せがかかるため、影響は諸費用分だけにとどまりません。
| 3,000万円・0.99% | 3,229万円・1.19% | |
|---|---|---|
| 毎月返済額 | 84,546円 | 94,038円 |
| 総返済額 | 35,509,307円 | 39,495,857円 |
月々の差は6,454円から9,492円に広がります。「諸費用も借りられます」という条件を見たときは、金利が同じかどうかを確認すると比較が正確になります。
気をつける点
売却時に残債が残りやすくなります
物件価格を超えて借りる状態(オーバーローン)では、購入直後の残債が物件の市場価格を上回ります。3,000万円の物件に3,229万円を借りた場合、売っても返しきれない状態が数年続きます。転勤・離婚・住み替えなど、予定外の売却が必要になったときに選択肢が狭くなる点は、事前に把握しておく部分です。
上の条件では、残債が3,000万円を下回るのはおよそ3年後です。物件価格が下落すれば、その分だけ期間は伸びます。
- 住宅ローン控除の対象外:控除の対象は住宅の取得等の対価にあたる部分で、諸費用分は含まれません
- 審査が厳しくなることがある:借入額が増えるため返済負担率が上がります
- 取り扱いがない金融機関もある:フラット35では、融資額は建設費・購入価額の範囲内とされています
使うかどうかの整理
| 状況 | 考えられる見方 |
|---|---|
| 手元資金が諸費用でほぼ尽きる | 引越し費用や当面の生活費が残らない状態は、別のリスクを抱えることになる |
| 教育費・車の買い替えなど近い支出がある | 低金利で長期に借りられるなら、手元に現金を置いておく選択肢がある |
| 数年以内に売却の可能性がある | オーバーローンの期間が重なると選択肢が狭まる |
| 現金に余裕があり、総額を抑えたい | 現金で払えば利息42万円は発生しない |
諸費用を借りること自体の追加コストは、この条件で42万円(35年)です。この額を手元に229万円を残しておくための費用と見て、割に合うかどうかを判断する形になります。手元資金の厚みと今後の支出予定によって答えは変わります。
まとめ
- 諸費用229万円を住宅ローンに含めると、月+6,454円・総返済+271万円(うち利息42万円)
- 別枠の諸費用ローン(2.5%・10年)なら利息は30万円と少ないが、月々は21,590円
- 差を作っているのは金利より返済期間
- 諸費用込みで金利が+0.2%になる場合は、物件分にも上乗せがかかる
- 住宅ローン控除の対象外で、購入直後はオーバーローンの状態になる
判断の前に必要なのは、自分の条件での諸費用の実額です。まず金額を出してから、現金で払うか借りるかを検討すると比較がしやすくなります。
諸費用の合計と、現金で用意しておきたい額をまず把握できます。諸費用ローンを検討するかどうかは、その金額を見てからで間に合います。
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参考・出典
※記事内の試算は元利均等返済の計算式にもとづく当サイトの独自試算です(2026年9月時点)。諸費用ローンの金利・取扱条件は金融機関によって異なります。