制度・ルール

法定休日と所定休日の違い:同じ休日出勤でも割増が35%と25%に分かれる

更新日:2026-09-15

土曜に出勤した日と日曜に出勤した日で、給与明細の金額が違っていたことはないでしょうか。同じ「休日出勤」でも、その日が法定休日か所定休日かで割増率が変わります。

2つの休日の違い

法定休日所定休日(法定外休日)
根拠労働基準法35条が義務づける休日会社が独自に定めた休日
日数週1回、または4週を通じて4日それを超える分
出勤したときの扱い休日労働通常の労働(時間外労働の枠組みで判断)
割増35%以上週40時間を超えた分に25%以上

週休2日制の会社では、2日のうち1日が法定休日、もう1日が所定休日という整理になるのが一般的です。

割増がどう変わるか

時給1,200円、9時〜18時・休憩60分(実働8時間)で出勤した場合です。

出勤した日区分計算金額
法定休日休日労働8時間1,200 × 1.35 × 812,960円
所定休日(週40時間以内に収まる場合)法定内労働8時間1,200 × 89,600円

所定休日の出勤は割増が付かないこともあります

所定休日に出勤しても、その週の労働時間が40時間以内に収まっていれば、割増賃金は発生しません(通常の賃金は支払われます)。逆に、平日をフルに働いたうえで所定休日にも出勤すれば、週40時間を超えるため超過分に25%の割増がつきます。所定休日の出勤は、その週の他の日の働き方によって結果が変わるという点が法定休日との大きな違いです。

法定休日には「8時間を超えたら時間外」がない

ここが見落とされやすい部分です。法定休日の労働には、法定労働時間という概念が適用されません。そのため8時間を超えて働いても、割増率は35%のままです。

法定休日に9時〜22時・休憩60分(実働12時間)働いた場合

区分時間計算金額
休日労働12時間すべて1,200 × 1.35 × 1219,440円

「8時間までは1.35倍、それ以降は1.35+0.25で1.60倍」とはなりません。全体が1.35倍で計算されます。ただし深夜帯に及んだ場合は、その時間に深夜割増25%が加算されます。

どの日が法定休日なのか

就業規則で「法定休日は日曜日とする」のように特定されていれば、その日が法定休日です。特定されていない会社もあり、その場合の扱いは実務上の論点になっています。

自分の職場でどの曜日が法定休日とされているかは、就業規則の休日に関する条文で確認できます。シフト制の場合は、週のうちどの日を法定休日として扱うかの定めがあるかどうかを見ると分かります。給与明細で「休日手当」と「時間外手当」が分かれて記載されていれば、どちらの扱いになったかを読み取れることもあります。

36協定の上限では休日労働の扱いが変わる

時間外労働には36協定による上限がありますが、法定休日の労働は時間外労働とは別枠です。ただし上限のうち一部は、休日労働を含めて判定します。

上限休日労働を含めるか
月45時間・年360時間(原則)含めない
年720時間(特別条項)含めない
複数月平均80時間以内含める
単月100時間未満含める

法定休日に多く出勤している月は、時間外労働の数字だけを見ていると実際の負担を過小に見積もることになります。上限の詳しい内容は36協定の残業の上限で整理しています。

月60時間超の判定でも扱いが分かれる

1か月の時間外労働が60時間を超えると、超えた部分の割増率が50%以上になります。この60時間の集計にも、法定休日の労働は含みません

一方、所定休日の労働で週40時間を超えた分は時間外労働なので、60時間の集計に含まれます。同じ休日出勤でも、区分によって集計の入り口が変わることになります。

まとめ

  • 法定休日は週1回(または4週4日)与えなければならない休日。それを超える休みが所定休日
  • 法定休日の出勤は35%以上、所定休日の出勤は週40時間を超えた分に25%以上
  • 所定休日の出勤は、その週の他の日の働き方によって割増の有無が変わる
  • 法定休日には8時間超で時間外という概念がない。何時間働いても35%のまま
  • 36協定の「複数月平均80時間」「単月100時間未満」は休日労働を含めて判定する

自分の休日出勤がどちらの扱いになるかは、就業規則の定めと、その週の労働時間の合計で決まります。日ごとに区分を分けて記録しておくと、月の集計で迷わずに済みます。

タイムカード集計では日ごとに「平日・所定休日・法定休日」を選べます。区分を変えると割増の計算がどう変わるかを確かめられます。

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この記事を書いた人

都内在住。Web制作・デザインに20年以上携わり、現在はインハウスでWeb制作や改善業務に関わっています。会社員として勤怠管理や残業の集計を自分で行ってきた経験をもとに、労働時間まわりの仕組みをできるだけわかりやすく整理して発信しています。

この記事の位置づけ

労働基準法の一般的な内容を整理したもので、個別の事案について結論を示すものではありません。就業規則や労使協定の内容によって取り扱いは変わります。実際の判断が必要な場合は、勤務先の担当部署か、所轄の労働基準監督署・総合労働相談コーナーにご相談ください。

参考・出典

※2026年9月時点の法令にもとづいています。記事内の金額はすべて当サイトの独自試算で、割増率は労働基準法が定める最低基準を用いています。就業規則でこれより高い率を定めている場合は結果が変わります。