制度の決まり

時間単位年休と半日単位の有給:使える条件と年5日への充当

更新日:2026-09-17

年次有給休暇は1日単位で取得するのが原則です。ただし、半日単位や時間単位で取れる会社もあります。それぞれ条件が違うので整理します。

3つの単位の違い

単位必要な手続上限年5日への充当
1日単位なし(原則)なし1日として充当
半日単位労使協定は不要法律上の上限なし0.5日として充当できる
時間単位労使協定が必要年5日分まで充当されない

時間単位年休には労使協定が要る

時間単位で取得できるようにするには、事業場の過半数組合または過半数代表者との間で労使協定を結ぶことが必要です。協定がなければ時間単位の取得はできません。

協定では、対象となる労働者の範囲、時間単位で取得できる日数、1日の年次有給休暇に相当する時間数などを定めます。

上限は年5日分

時間単位で取得できるのは1年に5日分までです。繰越分がある場合も、時間単位で使えるのは前年度からの繰越分とあわせて5日分が上限とされています。

1日の所定労働時間が8時間の場合

5日分 × 8時間 = 40時間まで時間単位で取得できる
残りの日数は1日単位(または半日単位)での取得になる

所定労働時間に端数があるとき

1日の所定労働時間が7時間30分のように端数がある場合、時間単位年休の換算では時間未満を切り上げて8時間として扱います。労働者に不利にならないようにするためです。

年5日の取得義務との関係

ここが実務でいちばん間違えやすい点です。

時間単位で取った分は、年5日の取得義務には充当されません

時間単位で40時間(5日分)を取得しても、年5日の取得義務を果たしたことにはなりません。義務を満たすには、別に1日単位または半日単位で5日を取得する必要があります。半日単位は0.5日として充当できます。

「有給は使っているのに、会社から時季指定された」という場合、時間単位で使っていたことが理由のことがあります。年5日の義務については年5日の取得義務で整理しています。

半日単位は協定がなくても運用できる

半日単位の取得については、法律に明文の定めがありません。労働者が希望し、会社が応じる形であれば、労使協定がなくても運用できると解されています。

ただし、半日をどう区切るか(午前・午後で分けるのか、所定労働時間の半分で分けるのか)は会社によって違います。昼休みをはさんで前半が4時間、後半が3時間30分といった場合、どちらを半日と数えるかで実際の時間が変わります。就業規則で確認できます。

使いどころ

時間単位年休は、通院・子どもの送迎・役所の手続きなど、1日休むほどではない用事に向いた仕組みです。一方で、年5日の義務に充当されないため、時間単位ばかり使っていると義務のほうが達成されないという組み合わせが起きます。

時間単位が使える会社では、まとまった休みと短時間の休みを分けて考えておくと、両方が噛み合いやすくなります。

まとめ

  • 時間単位年休には労使協定が必要で、上限は年5日分
  • 1日の所定労働時間に端数があるときは時間未満を切り上げて換算する
  • 時間単位で取った分は年5日の取得義務に充当されない
  • 半日単位は労使協定がなくても運用でき、0.5日として充当できる
  • 半日の区切り方は会社によって違う

入社日と週の勤務日数を入れると、次の付与日と日数、繰越と時効、年5日の取得義務までを基準日ごとの一覧で確認できます。

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この記事を書いた人

都内在住。Web制作・デザインに20年以上携わり、現在はインハウスでWeb制作や改善業務に関わっています。会社員として自分の有給休暇の残日数を数え違えた経験から、労働基準法の決まりを条文にあたって整理したものを発信しています。

この記事の位置づけ

労働基準法の年次有給休暇に関するの一般的な内容を整理したもので、個別の事案について結論を示すものではありません。就業規則や労使協定、加入している健康保険の定めによって取り扱いは変わります。実際の判断が必要な場合は、勤務先の担当部署か、所轄の労働基準監督署・総合労働相談コーナーにご相談ください。

参考・出典

※2026年9月時点の法令にもとづいています。会社が法定を上回る日数や早い付与を定めている場合は結果が変わります。実際の日数は就業規則や労働契約で確認できます。