制度の決まり

有給休暇の年5日取得義務:対象になる人と、いつまでに取るのか

更新日:2026-09-17

2019年4月1日から、年次有給休暇を一定日数取得させることが使用者の義務になりました。いわゆる年5日の取得義務です。この記事では対象と期限を整理します。

対象になるのは年10日以上付与される人

義務の対象は、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者です。使用者は、付与した日から1年以内に5日について、時季を定めて取得させることとされています。

週5日勤務であれば、最初の付与(6か月時点)が10日なので最初から対象になります。

比例付与の場合はいつから対象か

週4日以下の比例付与では、付与日数が10日に届いた基準日から対象になります。

週の所定労働日数10日に達する時点そのときの日数
週5日以上/30時間以上6か月10日
週4日3年6か月10日
週3日5年6か月10日
週2日・週1日到達しない対象外

週2日以下の勤務では付与日数が10日に届かないため、この義務の対象にはなりません。

期限は「付与日から1年以内」

期限はその年度の末日ではなく、付与された日から1年です。基準日が10月1日なら、翌年9月30日までに5日です。

2026年4月1日入社の場合

2026年10月1日 … 10日付与(ここから対象)
2027年9月30日までに5日を取得
2027年10月1日 … 11日付与
2028年9月30日までに5日を取得

繰越分が多くても、義務の対象になるのはその年度に付与された日数が10日以上かどうかで判断します。

5日に充当されるもの

使用者が時季を指定して取得させた日だけでなく、次の日数も5日に充当されます。

  • 労働者が自分で請求して取得した日数
  • 計画的付与(労使協定にもとづく計画年休)で取得した日数

つまり、自分で5日以上取得していれば、会社が改めて時季を指定する必要はなくなります。取得が進んでいない人に対して会社が時季を指定する、という運用になります。

時季を指定するときは、使用者はあらかじめ労働者の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めることとされています。一方的に日を決められる仕組みではありません。

半日単位・時間単位の扱い

半日単位で取得した日数は、0.5日として5日に充当できると解されています。一方、時間単位で取得した分は充当されません。時間単位年休は5日の計算に含めない扱いです。

時間単位年休については時間単位年休と半日単位で整理しています。

年次有給休暇管理簿

年5日の義務にあわせて、使用者は労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、一定期間保存することとされています。時季・日数・基準日を記載するものです。

自分の取得状況が分からない場合、この管理簿の内容を確認できます。給与明細に残日数が印字されている会社もあります。

義務を果たさなかった場合

年5日取得させなかった場合、使用者に対する罰則の定めがあります。労働者側が罰せられるものではありません。

とはいえ、期限が近づいてから5日まとめて指定されると予定を組みにくくなります。基準日と期限を把握しておくと、自分の希望で先に取りやすくなります。

まとめ

  • 対象は年10日以上付与される労働者。2019年4月1日から
  • 期限は年度末ではなく付与日から1年以内
  • 自分で請求して取得した日数と計画的付与は5日に充当される
  • 半日単位は0.5日として充当できるが、時間単位は充当されない
  • 週4日は3年6か月、週3日は5年6か月から対象。週2日以下は対象外

入社日と週の勤務日数を入れると、次の付与日と日数、繰越と時効、年5日の取得義務までを基準日ごとの一覧で確認できます。

付与日数を計算する →

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この記事を書いた人

都内在住。Web制作・デザインに20年以上携わり、現在はインハウスでWeb制作や改善業務に関わっています。会社員として自分の有給休暇の残日数を数え違えた経験から、労働基準法の決まりを条文にあたって整理したものを発信しています。

この記事の位置づけ

労働基準法の年次有給休暇に関するの一般的な内容を整理したもので、個別の事案について結論を示すものではありません。就業規則や労使協定、加入している健康保険の定めによって取り扱いは変わります。実際の判断が必要な場合は、勤務先の担当部署か、所轄の労働基準監督署・総合労働相談コーナーにご相談ください。

参考・出典

※2026年9月時点の法令にもとづいています。会社が法定を上回る日数や早い付与を定めている場合は結果が変わります。実際の日数は就業規則や労働契約で確認できます。