有給休暇の出勤率8割:全労働日の数え方とみなし出勤になる期間
更新日:2026-09-17
年次有給休暇が付与されるには、その期間の全労働日の8割以上出勤していることが必要です。ここでいう「全労働日」と「出勤」は、単純な暦日や実際に会社にいた日とは違います。
計算式
出勤率
出勤した日数 ÷ 全労働日 ≧ 0.8
分母の全労働日は、その期間の所定労働日数です。就業規則で定められた休日は最初から入りません。
分母(全労働日)から除かれる日
次の日は、そもそも全労働日に含めない扱いとされています。
- 使用者の責めに帰すべき事由による休業日(会社都合の休業)
- 正当なストライキその他の争議行為により労務が提供されなかった日
- 法定休日・所定休日(もともと労働日ではない)
会社都合の休業日が分母に残っていると、労働者に責任のない事情で出勤率が下がってしまうためです。
分子(出勤)に数える日
実際に出勤した日のほか、次の期間は出勤したものとみなして数えます。
- 業務上の負傷・疾病により療養のため休業した期間
- 産前産後の休業期間
- 育児休業・介護休業の期間
- 年次有給休暇を取得した日
育児休業で1年休んでも、出勤率の要件は満たします。休業期間が出勤とみなされるためです。有給休暇を取得した日も出勤扱いなので、有給を使ったせいで翌年の付与がなくなる、ということは起きません。
私傷病や自己都合の欠勤は出勤に数えない
一方で、業務外の病気やけが(私傷病)による欠勤、自己都合の欠勤は出勤に数えません。分母には残り、分子には入らないため、出勤率が下がります。
長期の私傷病で休職した場合は、出勤率が8割を下回ることがあります。ただし休職の扱いは会社の規定によるところもあるため、勤務先で確認できます。
計算例
年間所定労働日数240日の場合
出勤 200日/有給取得 10日/私傷病欠勤 20日/会社都合の休業 10日
分母 … 240日 − 10日(会社都合の休業)= 230日
分子 … 200日 + 10日(有給取得)= 210日
出勤率 … 210 ÷ 230 = 91.3% → 8割以上なので要件を満たす
会社都合の休業日を分母から除かずに計算すると 210 ÷ 240 = 87.5% となり、同じく8割は超えますが数字が変わります。ぎりぎりの場合は分母の取り方で結論が変わることがあります。
8割を下回るとどうなるか
ある期間の出勤率が8割を下回ると、その次の基準日の付与がなくなります。ただし勤続年数のカウントは止まりません。
3年目に8割を下回った場合
2年6か月の基準日 … 12日付与
3年6か月の基準日 … 付与なし(前年度の出勤率が8割未満)
4年6か月の基準日 … 出勤率が8割以上に戻れば16日付与(勤続年数どおり)
付与が飛んだ年の翌年は、14日に戻るのではなく勤続年数に応じた16日になります。日数の段階が巻き戻ることはありません。
分母の取り方は勤務先で確認できる
会社都合の休業に当たるかどうか、休職期間をどう扱うかは、個別の事情で判断が分かれることがあります。自分の計算と会社の計算が合わない場合は、どの日を分母に入れているかを確認すると原因が見つかりやすくなります。
まとめ
- 出勤率=出勤した日数 ÷ 全労働日。8割以上で付与される
- 会社都合の休業日や争議行為の日は分母から除かれる
- 業務上の傷病・産前産後・育児介護休業・有給取得日は出勤とみなす
- 私傷病や自己都合の欠勤は出勤に数えない
- 8割を下回ると次の付与がなくなるが、勤続年数は進む
この記事の位置づけ
労働基準法の年次有給休暇に関するの一般的な内容を整理したもので、個別の事案について結論を示すものではありません。就業規則や労使協定、加入している健康保険の定めによって取り扱いは変わります。実際の判断が必要な場合は、勤務先の担当部署か、所轄の労働基準監督署・総合労働相談コーナーにご相談ください。
参考・出典
※2026年9月時点の法令にもとづいています。会社が法定を上回る日数や早い付与を定めている場合は結果が変わります。実際の日数は就業規則や労働契約で確認できます。