求人票チェッカー(固定残業代込みの月給を確認)
「月給25万円(固定残業代4万円・20時間分を含む)」のような求人票の表示から、 固定残業代を除いた時給が最低賃金を満たすか、 固定残業代が割増率の計算に足りているかを確かめられます。 入力内容はサーバーに送信されません。
- 入れるもの
- 勤務地の都道府県/表示されている月給/うち固定残業代の額と時間数/月給に含まれる手当/1日の所定労働時間と年間休日
- 出るもの
- 固定残業代を除いた時間額と最低賃金の比較/表示の時間数に必要な固定残業代の額と過不足/その額が何時間分に当たるか/36協定の上限との比較/求人票に書かれている項目の数
手計算だと間違えやすいところを、そのまま扱います
- 固定残業代は最低賃金の計算から外します … 月給の総額で割ると、時給が高く見えます
- 手当の扱いが、最低賃金と残業代で逆になります … 住宅手当は最低賃金では含め、残業代の基礎からは条件付きで外せます。精皆勤手当はその逆です
- 月60時間を超える部分は割増率が50%です … 25%のまま掛けると、必要な額が少なく出ます
- 時間数が書かれていなくても … 固定残業代の額から、何時間分に当たるかを逆算します
1. 求人票の表示
月給に手当が含まれている場合
「月給25万円(住宅手当2万円を含む)」のように、月給の総額に含まれている手当を入れます。月給とは別に支給される手当は入れなくて構いません。
家族手当・通勤手当・住宅手当は、扶養の人数・通勤距離・家賃に応じて額が変わる場合に限り、残業代の基礎から外せるとされています。 一律の定額で支払われている場合はチェックを外してください。
2. 所定労働時間
求人票の「勤務時間」から休憩を除いた時間と、「年間休日」を入れます。
3. 求人票に書かれている項目
固定残業代を採用する場合、職業安定法にもとづく指針で次の3つを明示することとされていると解説されています。求人票に書かれているものにチェックを入れます。
4. 計算結果
① 固定残業代を除いた時給と最低賃金
② 固定残業代の額と時間数
③ 固定残業の時間数と36協定の上限
④ 求人票に書かれている項目
計算の内訳
計算のしかた
例:東京都・月給25万円(固定残業代4万円・20時間分を含む)・1日8時間・年間休日120日
- 1か月の平均所定労働時間:8時間 ×(365 − 120)日 ÷ 12 = 163.33時間
- 固定残業代を除いた月給:250,000 − 40,000 = 210,000円
- 時間額:210,000 ÷ 163.33 = 1,285.71円。東京都の最低賃金1,226円(2026年10月1日からは答申で1,280円)を上回ります
- 時間外1時間に必要な額:1,285.71 × 1.25 = 1,607.14円。20時間分で 32,143円
- 表示の固定残業代は40,000円(1時間あたり2,000円)なので、20時間分に足りています。逆算すると 約24.9時間分に当たります
固定残業の20時間をすべて働いた場合、月給の総額を「所定+20時間」で割った1時間あたりの額は1,363.64円です。
月60時間を超える部分は、割増率が50%になります(中小企業も2023年4月1日から)。 たとえば固定残業が80時間分なら、必要な額は「基礎額 ×(1.25 × 60 + 1.5 × 20)」です。
時間額は円未満を切り捨てずに比べています。固定残業代の過不足は、割増賃金の計算で円未満の端数処理が認められていることから、1円未満の差は不足として扱っていません。
最低賃金と残業代で、手当の扱いが違います
このツールは、①の最低賃金と②の固定残業代で、手当を次のように分けて計算しています。
| 賃金 | ①最低賃金の対象 | ②残業代の基礎 |
|---|---|---|
| 基本給・役職手当・資格手当 | 含める | 含める |
| 固定残業代 | 外す | 外す |
| 住宅手当 | 含める | 家賃に応じて変わるなら外せる |
| 精皆勤手当 | 外す | 含める |
| 家族手当 | 外す | 扶養の人数に応じて変わるなら外せる |
| 通勤手当 | 外す | 距離などに応じて変わるなら外せる |
名称ではなく実態で判断されます。最低賃金の扱いは最低賃金チェッカー、 残業代の基礎は残業代の基礎になる時給で整理しています。
固定残業の時間数と比べる基準
| 基準 | 時間 | 根拠 |
|---|---|---|
| 36協定の原則の上限 | 月45時間・年360時間 | 労基法36条4項 |
| 割増率が50%になる境目 | 月60時間超 | 労基法37条1項ただし書 |
| 特別条項:複数月平均(休日労働を含む) | 80時間以内 | 労基法36条6項 |
| 特別条項:単月(休日労働を含む) | 100時間未満 | 労基法36条6項 |
| 特別条項:月45時間を超えられる回数 | 年6回まで | 労基法36条5項 |
固定残業の時間数そのものに法律上の上限が定められているわけではありません。 ただ、月45時間を超えられるのは年6回までなので、45時間を超える時間数を毎月働く前提は、この上限と両立しないことになります。 時間数が長い固定残業代について、有効性が争われた裁判例があると解説されています。
このツールの前提
- 計算はブラウザの中で行い、入力内容はサーバーに送信していません。
- 月給制で、1日の所定労働時間と年間休日が毎年同じ前提です。1年は365日として数えます。
- 最低賃金は勤務地の都道府県の地域別最低賃金で、今日の日付で効力のある額と比べます。改定が控えている場合は、改定後の額との比較も出します。
- 固定残業代は時間外労働(25%・60時間超は50%)に対するものとして計算します。深夜や休日の割増を含む形の固定残業代には対応していません。
- 賞与や年俸制の分割払いは入れていません。
- 計算結果は、求人票の数字から出した目安です。固定残業代が有効かどうかは、雇用契約書や就業規則の書き方、実際の運用によって判断されます。個別の判断が必要な場合は、応募先や所轄の労働基準監督署・総合労働相談コーナーに確認できます。
よくある質問
固定残業代込みの月給は、最低賃金の計算でどう扱いますか?
固定残業代は時間外労働の対価なので、最低賃金の対象から外します。月給25万円のうち4万円が固定残業代なら、対象になるのは21万円です。通勤手当・家族手当・精皆勤手当も対象から外します。
固定残業代が足りているかは、どう計算しますか?
固定残業代を除いた月給(残業代の基礎から外せる手当も除く)を1か月の平均所定労働時間で割って1時間あたりの基礎額を出し、1.25倍して固定残業の時間数を掛けます。月60時間を超える部分は1.5倍です。固定残業代がこの額以上なら、表示された時間数に対して足りている計算になります。
固定残業の時間数が45時間を超えていても問題ありませんか?
月45時間は36協定で定められる時間外労働の原則の上限です。これを超える時間を働くには特別条項付きの協定が必要で、月45時間を超えられるのは年6回までとされています。固定残業の時間数が45時間を超えている場合、毎月その時間を働く前提では成り立たないことになります。
固定残業の時間より多く働いた場合はどうなりますか?
超えた時間分の割増賃金は、固定残業代とは別に支払われることになります。求人票では、固定残業代を除いた基本給の額、固定残業代に当たる時間数と金額、超えた分を追加で支払う旨を明示することとされていると解説されています。
固定残業の時間より少なく働いた月は、減額されますか?
固定残業代は、実際の残業が少ない月でも定額で支払われる形が一般的です。取り扱いは雇用契約書や賃金規程で確認できます。