パート・アルバイトの最低賃金:時給制でも確認しておきたい3つの点
更新日:2026-09-17
パート・アルバイトは時給制のことが多く、最低賃金との比較そのものは簡単です。求人票の時給と地域別最低賃金を見比べればわかります。ただ、それでも見落としやすい点がいくつかあります。
学生も試用期間中も対象になる
まず前提として、地域別最低賃金は雇用形態にかかわらず適用されます。パート、アルバイト、学生アルバイト、契約社員、嘱託、いずれも対象です。試用期間中であっても同じです。
「研修中は時給が下がる」という求人を見かけることがありますが、研修期間中であっても最低賃金を下回ることはできません。最低賃金法には減額の特例がありますが、これはあらかじめ都道府県労働局長の許可を受けた場合に限られ、会社が自分の判断で下げられるものではありません。
1. 研修期間・試用期間の時給
求人票に「研修期間3か月は時給○円」と書かれている場合、その額が最低賃金を下回っていないかを確認できます。改定のタイミングで通常時給だけが更新され、研修時給が据え置かれているケースは起こり得ます。
確認するところ
通常時給と研修時給の両方を、事業場のある都道府県の最低賃金と比べます。研修時給のほうが改定に追いついていないことがあります。
2. 勤務地が複数ある場合
適用されるのは事業場の所在地の都道府県の額です。住んでいる場所でも、会社の本社の場所でもありません。
県境をまたいで通勤している場合、自分の住所地より低い県で働いていれば低いほうの額が基準になりますし、逆もあります。複数の店舗をかけもちしていて県をまたいでいる場合は、店舗ごとに基準が変わります。
隣り合う都道府県でも額の差は小さくありません。2026年9月時点の令和8年度の答申では、最高の1,280円と最低の1,085円で195円の開きがあります。
3. 年度改定が反映されているか
地域別最低賃金は毎年改定されます。時給が最低賃金ちょうど、またはそれに近い額で設定されている場合、改定日を過ぎると自動的に下回った状態になります。
会社側が改定にあわせて時給を上げるのが通常ですが、発効日が都道府県ごとに違うこともあり、反映が遅れることがあります。秋以降に自分の県の発効日が来たら、給与明細の時給を確認しておくと気づきやすくなります。
発効日の仕組みは発効日は都道府県で違うで整理しています。
時給制以外で働いている場合
パートでも日給制や月給制のことがあります。その場合は時間額への換算が必要です。
| 賃金の形 | 時間額の出し方 |
|---|---|
| 時間給 | そのまま比べる |
| 日給 | 日給 ÷ 1日の所定労働時間 |
| 月給 | 月給 ÷ (1日の所定労働時間 × 年間所定労働日数 ÷ 12) |
| 出来高払い | その賃金計算期間の総額 ÷ 総労働時間数 |
複数の形が組み合わさっている場合は、それぞれを時間額に換算してから合計します。
扶養の範囲で働いている場合の注意
最低賃金が上がると、同じ時間だけ働いても年収が増えます。扶養の範囲に収めるために働く時間を調整している場合、改定後は同じ時間数だと年収の見込みが変わります。
これは最低賃金の制度そのものの話ではありませんが、改定のたびに時間数の見直しが必要になる点は、時給制で働いている人に共通します。年収の目安は年収手取り計算機でも確認できます。
まとめ
- パート・アルバイト・学生・試用期間中も地域別最低賃金の対象になる
- 研修期間中の時給も対象。減額には労働局長の許可が必要
- 基準になるのは事業場のある都道府県。住所地ではない
- 毎年の改定が時給に反映されているかは、発効日の後に確認できる
- 日給・月給・出来高の場合は時間額に換算してから比べる
月給や日給を入れると、時間額に換算して都道府県の最低賃金を満たしているかを判定します。対象から外す手当も分けて計算します。
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この記事の位置づけ
最低賃金法と労働基準法のの一般的な内容を整理したもので、個別の事案について結論を示すものではありません。就業規則や労使協定、加入している健康保険の定めによって取り扱いは変わります。実際の判断が必要な場合は、勤務先の担当部署か、所轄の労働基準監督署・総合労働相談コーナーにご相談ください。
参考・出典
※2026年9月時点の法令・公表資料にもとづいています。地域別最低賃金は毎年改定され、発効日は都道府県ごとに違います。最新の額は厚生労働省または各都道府県労働局のページで確認できます。