計算例

月給を時給に換算する方法:最低賃金と比べるための計算手順

更新日:2026-09-17

最低賃金は時間額で決まっているため、月給制で働いている場合は換算しないと比べられません。「月25万円もらっているから大丈夫だろう」と思っても、所定労働時間が長ければ時間額は下がります。この記事では換算の手順を具体的な数字で確認します。

計算は2段階

厚生労働省が公開しているセルフチェックの手順では、次の2段階で計算します。

換算の手順

① 1日の所定労働時間数 × 年間の所定労働日数 ÷ 12 = 1か月の所定労働時間数
② 最低賃金の対象になる賃金の合計 ÷ 1か月の所定労働時間数 = 時間額

ポイントは、月ごとの実際の労働時間ではなく年間をならした所定労働時間を使うことです。月によって出勤日数が違っても、年単位で平均するので数字がぶれません。

具体例で計算する

月給25万円、1日8時間、年間休日120日(=年間所定労働日数245日)の場合で計算します。

月給25万円・1日8時間・年間245日

① 8時間 × 245日 ÷ 12 = 163.33時間(1か月の所定労働時間)
② 250,000円 ÷ 163.33時間 = 1,530.6円(時間額)

この時間額を、事業場のある都道府県の地域別最低賃金と比べます。

年間休日が変わるとどうなるか

同じ月給でも、年間休日が少ないほど時間額は下がります。

年間休日年間所定労働日数月の所定労働時間時間額(月給25万円)
125日240日160.00時間1,562.5円
120日245日163.33時間1,530.6円
105日260日173.33時間1,442.3円
85日280日186.67時間1,339.3円

年間休日125日と85日では、同じ月給でも時間額が200円以上違います。求人票で月給だけを見比べると、この差は見えません。

日給制の場合

日給制のときは、日給 ÷ 1日の所定労働時間で時間額を出します。月給のように年間でならす必要はありません。

日給12,000円・1日8時間

12,000円 ÷ 8時間 = 1,500円

月給と日給の両方がある場合は、それぞれを時間額に換算してから合計します。

端数は切り捨てないほうが安全

計算の途中で時間額に端数が出たとき、切り捨ててしまうとわずかに下回っているケースを見落とします。たとえば時間額が1,074.8円で最低賃金が1,075円なら下回っていますが、切り捨てて1,074円としても、四捨五入して1,075円としても判断を誤ります。

比べるときは端数をそのまま残し、下回っているかどうかだけを見るのが確実です。

賃金の合計に入れないものがあります

②の「対象になる賃金の合計」には、月給のすべてを入れるわけではありません。通勤手当・家族手当・精皆勤手当などは対象から外します。一方で住宅手当は含めます。詳しくは最低賃金の対象になる手当で整理しています。

まとめ

  • 1日の所定労働時間 × 年間所定労働日数 ÷ 12 で月の所定労働時間を出す
  • 対象になる賃金の合計をその時間数で割ると時間額になる
  • 年間休日が少ないほど、同じ月給でも時間額は下がる
  • 日給制は日給 ÷ 1日の所定労働時間で換算する
  • 端数を切り捨てると、わずかに下回る場合を見落とす

月給や日給を入れると、時間額に換算して都道府県の最低賃金を満たしているかを判定します。対象から外す手当も分けて計算します。

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この記事を書いた人

都内在住。Web制作・デザインに20年以上携わり、現在はインハウスでWeb制作や改善業務に関わっています。給与明細の数字がどう決まっているのかを自分で確かめたくなり、最低賃金や割増賃金の決まりを調べて整理したものを発信しています。

この記事の位置づけ

最低賃金法と労働基準法のの一般的な内容を整理したもので、個別の事案について結論を示すものではありません。就業規則や労使協定、加入している健康保険の定めによって取り扱いは変わります。実際の判断が必要な場合は、勤務先の担当部署か、所轄の労働基準監督署・総合労働相談コーナーにご相談ください。

参考・出典

※2026年9月時点の法令・公表資料にもとづいています。地域別最低賃金は毎年改定され、発効日は都道府県ごとに違います。最新の額は厚生労働省または各都道府県労働局のページで確認できます。