最低賃金の発効日は都道府県で違う:改定はいつから効くのかを確認する
更新日:2026-09-17
「今年から最低賃金が上がった」というニュースを見ても、自分の県でいつから効くのかはすぐにわかりません。発効日は都道府県ごとに違うためです。この記事ではその仕組みを整理します。
答申は発効ではない
毎年8月から9月ごろに「全国の最低賃金の改定額が答申された」という報道があります。ただし答申は、地方最低賃金審議会が労働局長に対して出す意見であり、この時点ではまだ効力がありません。
答申のあと、次の手続を経て決定・発効します。
- 答申の内容が公示される
- 関係労使からの異議申出を受け付ける期間が置かれる
- 異議の状況をふまえ、都道府県労働局長が決定する
- 定められた日から発効する
このため、答申の段階で示される発効日は「予定」です。異議申出の状況などによって変わることがあります。
発効日がばらつく
令和8年度の答申では、発効予定日は2026年10月1日から12月2日にかけて分布しています(2026年9月時点)。10月1日に発効する県もあれば、12月に入る県もあります。
年度によっては、発効が翌年にずれ込むこともあります。令和7年度は、2026年1月や3月に発効する県がありました。
発効日までは前年度の額が効力を持ちます
報道で新しい額が出ていても、自分の県の発効日が来るまでは前年度の額が適用されます。逆に、発効日を過ぎたのに時給が据え置かれていれば、その時点から下回っている状態になります。
発効日をまたぐ賃金計算
発効日が賃金計算期間の途中に来ることがあります。たとえば締め日が月末で、発効日が10月15日の場合、10月分の賃金は前半と後半で適用される額が変わります。
発効日が期間の途中に来る場合
10月1日〜10月14日 … 前年度の額
10月15日〜10月31日 … 新しい額
月給制の場合は、それぞれの期間について時間額を計算して確認することになります。
時給制であれば、発効日以降の勤務分から新しい時給になっているかを給与明細で確認できます。
反映漏れに気づくには
改定への対応は会社が行うものですが、発効日が県ごとに違うため、更新が遅れることは起こり得ます。とくに次のような場合は確認しておくと気づきやすくなります。
- 時給が最低賃金ちょうど、またはそれに近い額に設定されている
- 研修期間中の時給が別に設定されている
- 県をまたいで複数の店舗で働いている
- 月給制で、所定労働時間が長め(時間額が低くなりやすい)
自分の県の発効日は、厚生労働省や都道府県労働局のページで確認できます。
すでに育休中・休職中の場合
最低賃金は、実際に働いて賃金が支払われる期間について適用されるものです。休業中で賃金が支払われていない期間について、最低賃金額の支払いが生じるわけではありません。復職して勤務が始まった時点の額で比べることになります。
まとめ
- 答申の時点では効力がなく、公示・異議申出の手続を経て決定される
- 発効日は都道府県ごとに違い、年度によっては翌年にずれ込む
- 答申段階で示される発効日は予定で、変わることがある
- 発効日までは前年度の額、発効日以降は新しい額が適用される
- 時給が最低賃金に近いほど、反映漏れの影響が出やすい
月給や日給を入れると、時間額に換算して都道府県の最低賃金を満たしているかを判定します。対象から外す手当も分けて計算します。
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この記事の位置づけ
最低賃金法と労働基準法のの一般的な内容を整理したもので、個別の事案について結論を示すものではありません。就業規則や労使協定、加入している健康保険の定めによって取り扱いは変わります。実際の判断が必要な場合は、勤務先の担当部署か、所轄の労働基準監督署・総合労働相談コーナーにご相談ください。
参考・出典
※2026年9月時点の法令・公表資料にもとづいています。地域別最低賃金は毎年改定され、発効日は都道府県ごとに違います。最新の額は厚生労働省または各都道府県労働局のページで確認できます。