解像度とdpiの関係:Web用の画像に「350dpi」は必要か
更新日:2026-09-16
印刷会社に画像を渡すときは「350dpiで」と言われ、Web制作では「72dpiで」と言われた記憶がある方もいると思います。一方で求人媒体のヘルプを見ると、dpiの指定はほとんど出てきません。出てくるのは「600px以上」のようなピクセル数です。
この違いには理由があります。結論から書くと、画面に表示する画像では、dpiの値は見た目を決めていません。
dpiは「1インチあたり何個の点で表すか」
dpi(dots per inch)は、1インチ=2.54cmのなかに点をいくつ並べるかを表す数字です。紙に印刷するときは、この密度が細かさを直接決めます。
印刷での計算
横1200ピクセルの画像を350dpiで印刷すると、1200 ÷ 350 ≒ 3.4インチ(約8.7cm)の幅で出ます。同じ画像を72dpiで印刷すると1200 ÷ 72 ≒ 16.7インチ(約42cm)になり、引き伸ばされた分だけ粗く見えます。
つまり印刷では、ピクセル数とdpiの2つで、紙の上の大きさと細かさが決まります。
画面ではピクセル数だけが効く
画面に表示するとき、画像は「何ピクセルあるか」だけで扱われます。ファイルのなかに記録されたdpiの値は、Webブラウザが画像を表示する際には参照されません。
そのため、1200×900の画像は、dpiが72でも350でも画面上はまったく同じに表示されます。ファイルサイズも変わりません。画像編集ソフトで「解像度を350にする」という操作をしても、ピクセル数を変えない設定であれば、Webでの見え方には影響しません。
「解像度」という言葉が2つの意味で使われている
日本語では、ピクセル数そのもの(1200×900)と、1インチあたりの密度(350dpi)の両方が「解像度」と呼ばれます。求人媒体のヘルプで「解像度」と書かれているときは、ほぼ前者のピクセル数を指しています。求人ボックスのヘルプにある「横200px以上かつ縦20px以上」のような記述がその例です。
それでもdpiを気にする場面
Webで使う画像でも、次の場面ではdpiが関係してきます。
- 同じ画像を紙にも使うとき。会社案内やチラシにも載せるなら、印刷側の要件を満たすピクセル数が必要です。A4の横幅(21cm=約8.3インチ)に350dpiで載せるなら、8.3 × 350 ≒ 2900ピクセルが目安になります
- スキャナーで取り込むとき。取り込み時のdpi設定は、できあがるピクセル数を決めます。ここでのdpiは実質的にピクセル数の指定です
逆に言えば、画面にしか出さない画像であれば、dpiを気にせずピクセル数だけを見れば足ります。
求人画像で実際に見る数字
確認する順番
- ピクセル数(例:1200×900)… 掲載先の推奨、なければ長辺1200px前後
- アスペクト比(例:4:3)… 切り抜かれる位置を自分で決めるため
- ファイルサイズ(例:8MB以内)… 上限を設けている媒体があるため
- 形式(例:JPEGまたはPNG)… 対応形式が指定されていることがあるため
dpiはこのリストに入りません。紙にも使う予定があるときだけ、別途ピクセル数を多めに確保しておけば足ります。
「高解像度で」と言われたときの読み替え
媒体の担当者や制作会社から「高解像度の画像をください」と言われた場合、Web向けの文脈であればピクセル数の大きい画像を指していると考えて差し支えありません。撮影した元データをそのまま渡せば条件を満たすことがほとんどです。
ただしファイルサイズの上限には注意が必要です。元データが10MBを超える場合、メールでの送付や媒体へのアップロードで引っかかることがあります。
まとめ
- dpiは印刷したときの大きさと細かさを決める数字で、画面表示には影響しない
- Webではピクセル数だけが見た目を決める。1200×900は72dpiでも350dpiでも同じ
- 求人媒体のヘルプにある「解像度」は、ほぼピクセル数を指している
- 紙にも使うなら、印刷側の要件からピクセル数を逆算しておく(A4幅・350dpiで約2900px)
この記事の位置づけ
画像の扱いについて一般的な内容を整理したもので、特定の求人媒体の仕様や、個別の事案について結論を示すものではありません。媒体の仕様は改定の告知なく変わることがあるため、入稿前に掲載先のヘルプで確認できます。
参考・出典
※記事中の数値は、当サイトで用意したテスト画像を使った2026年9月時点の独自計測です。実際の写真は、写っているものや粒状感によって同じ寸法・同じ画質でもファイルサイズが変わります。