社員の顔写真を求人広告に使うとき、同意はどう取るか
更新日:2026-09-16
求人広告に働いている人の写真を載せると、職場の雰囲気が伝わりやすくなります。一方で、人が写る写真は本人の権利に関わるため、掲載の前に確認しておく点があります。
この記事は、2026年9月時点で公開されている社労士事務所や人材関連の解説記事をもとに、一般的に言われている内容を整理したものです。個別の判断については、社内の担当部署や専門家にご相談ください。
求人広告は「広告」にあたるとされている
顔がわかる写真を本人の承諾なく使うと肖像権の侵害と評価されうる、という点は広く解説されています。そのうえで、求人情報は営利目的の広告に該当するため、社内報や社内掲示とは扱いが変わる、という整理が示されています。
つまり「社内で撮った写真だから社内の判断で使える」とは限らない、という考え方です。
撮影の同意と、掲載の同意は別
実務でつまずきやすいのがここです。撮影時に「写真を撮るね」と声をかけて本人が応じたとしても、それは撮られることへの了承であって、求人媒体に載せることまで含んでいるとは限りません。
解説記事では、同意は「撮影すること」だけでなく「求人媒体に掲載すること」まで含めて事前に取る必要がある、という点が繰り返し挙げられています。
口頭での了承だけだと確認しにくい
口頭の同意が無効というわけではありませんが、あとから「どこまで了承したか」が食い違ったとき、記録がないと双方とも確認できません。担当者が異動・退職したあとに、同意の有無を誰も説明できなくなる、という形で問題が表面化することがあります。
同意書に含めておくと確認しやすい項目
解説記事で共通して挙げられているのは、次の4点です。
| 項目 | 具体的に書く内容 |
|---|---|
| 利用目的 | 採用活動のための求人広告への掲載、など |
| 掲載媒体 | 自社採用サイト、求人媒体(媒体名を列挙するか範囲を示す)、会社案内、SNSなど |
| 掲載期間 | 在籍中のみか、退職後も継続するか。期限を設けるか |
| 撤回の可否と手続き | 本人が申し出た場合に取り下げるか、申し出先はどこか |
とくに掲載期間は見落とされやすい項目です。在籍中に得た掲載同意が退職後の継続使用まで当然に及ぶとは限らない、という整理が示されているため、ここを決めておくと退職時の扱いに迷わずに済みます。詳しくは退職者が写っている写真の扱いで整理しています。
顔が写らない撮り方という選択肢
同意の手続きを踏むほかに、そもそも個人が特定されない撮り方を選ぶこともできます。
- 後ろ姿・手元だけ。作業内容は伝わり、個人は特定されにくくなります
- 遠景で小さく写す。職場の広さと人の動きが伝わります
- 人のいない時間に撮る。設備や空間そのものを見せる構成になります
ただし、個人が特定されうるかどうかは写り方によります。後ろ姿でも、社内の人には誰か分かる場合があります。本人に一声かけておくほうが、結果として確認の手間は少なくなります。
写り込みにも同じ考え方が及ぶ
主役として撮った人だけでなく、背景に写り込んだ人も同じ扱いになります。
- 通行人、来客、取引先の担当者
- 同意を取っていない他部署の社員
- 店舗であれば顧客
撮影時に画面の端まで見ておく、あるいは人がいない時間帯に撮る、といった対応で避けられます。撮影後に気づいた場合は、その部分を切り取るか、別の写真に差し替えることになります。
運用として決めておくこと
- 同意書の様式を用意する。撮影のたびに文面を考えずに済みます
- 同意書と写真を結びつけて保管する。どの写真が誰の同意に対応するかが分かる形にします
- 退職時の手続きに写真の確認を入れる。掲載中の写真に退職者が写っていないかを見る機会になります
- 撤回の申し出先を周知する。本人が申し出やすい状態にしておきます
まとめ
- 求人情報は広告にあたるとされ、社内利用とは扱いが変わる
- 撮影の同意と掲載の同意は別。掲載まで含めて事前に確認する
- 同意書には目的・媒体・期間・撤回の4点を含めておくと後から確認しやすい
- 顔が写らない撮り方を選ぶという方法もある
- 背景に写り込んだ人にも同じ考え方が及ぶ
この記事の位置づけ
公開されている解説記事や行政のリーフレットをもとにした一般的な整理で、判例や個別の事案について結論を示すものではありません。自社での取り扱いを決める際は、掲載先の媒体、社内の法務・人事の担当部署、必要に応じて弁護士や社会保険労務士にご相談ください。
参考・出典
※2026年9月時点で公開されている解説記事をもとにした一般的な整理です。判例や行政資料の原文を確認したものではありません。