疑問解消

育休中に働くと給付はどうなる?10日・80時間・80%の3つの線

更新日:2026-09-17

育児休業中はまったく働けない、というわけではありません。一定の範囲であれば就業しても給付を受けられます。ただし線引きがあり、超えると減額または不支給になります。

3つの線

見るもの超えると
就業日数支給単位期間ごとに10日以下不支給
就業時間10日を超える場合は80時間以下
支払われた賃金休業開始時賃金月額の80%未満不支給

支給単位期間は原則として1か月ごとの区切りです。就業日数が10日以下であればその時点で要件を満たし、10日を超える場合は就業時間が80時間以下であれば要件を満たします。

賃金が支払われた場合の調整

就業して賃金が支払われた場合、その額に応じて給付が調整されます。支給率が67%の期間と50%の期間で基準が違います。

支払われた賃金(休業開始時賃金月額に対する割合)67%の期間50%の期間
低い13%以下 → 満額支給30%以下 → 満額支給
中間13%超80%未満 → 減額30%超80%未満 → 減額
高い80%以上 → 不支給

中間の範囲では、賃金と給付の合計が休業開始時賃金月額の80%になるように給付が減らされます。つまり、賃金が増えたぶんだけ給付が減り、合計は80%で頭打ちになります。

休業開始時賃金月額30万円・67%の期間の場合

賃金 0円 … 給付 201,000円(67%)/合計 201,000円
賃金 39,000円(13%) … 給付 201,000円/合計 240,000円
賃金 100,000円(33%) … 給付 140,000円/合計 240,000円(80%)
賃金 240,000円(80%) … 給付 0円

13%を超えたあたりから、働いても手取りの合計が増えにくくなります。80%に達すると給付がなくなります。

産後パパ育休は仕組みが違う

産後パパ育休(出生時育児休業)では、労使協定を結んでいる場合に限り、あらかじめ合意した範囲で就業できます。通常の育児休業には、この「あらかじめ合意して働く」仕組みはありません。

就業できる日数・時間には上限があり、休業期間中の所定労働日数・所定労働時間のそれぞれ半分までなどの制限があります。詳しくは産後パパ育休で整理しています。

社会保険料の免除には影響しない

就業しても、育児休業等期間中であれば社会保険料の免除の要件は変わりません。免除されるかどうかは、その月に育休の日がどう含まれるかで決まります。

ただし就業して賃金が支払われた場合、その賃金には雇用保険料がかかります。

就業の記録が必要になる

支給申請の際には、支給単位期間ごとの就業日数と就業時間、支払われた賃金の額を届け出ます。会社が作成する書類に記載されるため、実際に働いた分は正確に記録されている必要があります。

「少しだけメールを見る」「電話に出る」といった対応が就業日数に数えられるかどうかは、実態によって判断が分かれます。継続的に業務を行っている場合は就業として扱われることになるため、勤務先と取り決めておくと後から食い違いにくくなります。

このツールで扱っていない範囲

当サイトの育休手当の計算は、育休中に就業しない前提で計算しています。就業して賃金が支払われる場合の減額は入れていません。働く予定がある場合は、勤務先またはハローワークで確認できます。

まとめ

  • 支給単位期間ごとに就業日数10日以下、または就業時間80時間以下なら受給できる
  • 賃金が13%(50%の期間は30%)を超えると給付が減額される
  • 賃金と給付の合計は休業開始時賃金月額の80%で頭打ちになる
  • 賃金が80%以上になると給付は支給されない
  • 産後パパ育休は労使協定があれば合意した範囲で就業できる

ふたりの月給と育休の取り方を入れると、育児休業給付金・出生後休業支援給付金・出産手当金の合計と、社会保険料の免除額を計算できます。

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この記事を書いた人

都内在住。Web制作・デザインに20年以上携わり、現在はインハウスでWeb制作や改善業務に関わっています。育児休業の制度が数年おきに変わるため、雇用保険と健康保険のどちらから何が出るのかを自分で整理したものを発信しています。

この記事の位置づけ

雇用保険法・健康保険法の育児休業に関するの一般的な内容を整理したもので、個別の事案について結論を示すものではありません。就業規則や労使協定、加入している健康保険の定めによって取り扱いは変わります。実際の判断が必要な場合は、勤務先の担当部署か、所轄の労働基準監督署・総合労働相談コーナーにご相談ください。

参考・出典

※2026年9月時点の法令・公表資料にもとづいています。支給限度額は毎年8月1日に見直されます。記事内の金額は当サイトの独自試算で、実際の支給額は直近6か月の賃金や標準報酬月額によって変わります。