育児時短就業給付金:2025年4月から始まった時短勤務への10%給付
更新日:2026-09-17
育児休業から復帰したあと、短時間勤務を選ぶと賃金が下がります。この減少を補う仕組みとして、2025年4月に育児時短就業給付金が創設されました。
制度のあらまし
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 2歳未満の子を養育するために時短勤務をする雇用保険の被保険者 |
| 給付率 | 時短勤務中に支払われた賃金の10% |
| 始まった時期 | 2025年4月1日 |
育児休業給付金が「休んでいる間」の給付であるのに対し、こちらは「短く働いている間」の給付です。
対象になる人
次のいずれかに当てはまる雇用保険の被保険者が対象とされています。
- 育児休業から復帰して、2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている
- 育児休業を取得せずに、2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている(一定の被保険者期間が必要)
育児休業を取らずに時短勤務に入る場合は、時短勤務の開始前2年間に被保険者期間が12か月以上あることが要件になります。
支給額の考え方
支給額は、時短勤務中の各月に支払われた賃金額の10%です。育児休業給付金のように休業開始前の賃金を基礎にするのではなく、実際に支払われた賃金を基礎にします。
時短勤務で月給が24万円になった場合
240,000円 × 10% = 24,000円(その月の支給額)
ただし、賃金と給付の合計が時短勤務前の賃金を上回らないように調整されます。賃金の下がり方が小さい場合は、給付率が10%より低くなることがあります。
また、支払われた賃金が支給限度額を超える月は支給されません。限度額は毎年8月1日に見直されます。
育児休業給付金との違い
| — | 育児休業給付金 | 育児時短就業給付金 |
|---|---|---|
| 状態 | 休業している | 短時間で働いている |
| 子の年齢 | 原則1歳まで(延長で2歳) | 2歳未満 |
| 計算の基礎 | 休業開始前6か月の賃金 | その月に支払われた賃金 |
| 給付率 | 67%/50% | 10% |
| 社会保険料 | 免除される | 免除されない |
時短勤務中は社会保険料が免除されません
育休中と違い、時短勤務中は保険料がかかります。ただし、育児休業等終了時改定という仕組みで、時短勤務による賃金の低下を標準報酬月額に反映させることができます。さらに養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置により、3歳未満の子を養育する期間については、年金額の計算上は従前の高い標準報酬月額で計算される取扱いがあります。いずれも届出が必要です。
時短勤務そのものの権利
給付とは別に、育児・介護休業法では、3歳に満たない子を養育する労働者について、所定労働時間を短縮する措置(1日6時間を含むもの)を講じることが事業主に義務づけられています。
給付の対象は2歳未満ですが、時短勤務の制度自体は3歳までが対象です。子が2歳になると、時短勤務は続けられても給付はなくなる、という関係になります。
このツールで扱っていない範囲
当サイトの育休手当の計算は、育児休業中の給付と出産手当金を計算するもので、育児時短就業給付金は計算していません。時短勤務中に支払われる賃金は実際の勤務によって変わるためです。
まとめ
- 2025年4月に始まった制度で、2歳未満の子を養育する時短勤務が対象
- 時短勤務中に支払われた賃金の10%が支給される
- 賃金と給付の合計が時短前の賃金を上回らないよう調整される
- 育休中と違い社会保険料は免除されないが、標準報酬月額の改定やみなし措置がある
- 時短勤務の制度自体は3歳まで。給付の対象は2歳未満
ふたりの月給と育休の取り方を入れると、育児休業給付金・出生後休業支援給付金・出産手当金の合計と、社会保険料の免除額を計算できます。
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この記事の位置づけ
雇用保険法・健康保険法の育児休業に関するの一般的な内容を整理したもので、個別の事案について結論を示すものではありません。就業規則や労使協定、加入している健康保険の定めによって取り扱いは変わります。実際の判断が必要な場合は、勤務先の担当部署か、所轄の労働基準監督署・総合労働相談コーナーにご相談ください。
参考・出典
※2026年9月時点の法令・公表資料にもとづいています。支給限度額は毎年8月1日に見直されます。記事内の金額は当サイトの独自試算で、実際の支給額は直近6か月の賃金や標準報酬月額によって変わります。