パートや契約社員も育休は取れる?雇用保険の要件と有期雇用の条件
更新日:2026-09-17
「正社員でないと育休は取れない」と思われがちですが、そうではありません。要件を満たせばパートや契約社員でも取得でき、給付金も受けられます。
2つの制度を分けて考える
混同しやすいのですが、「育児休業を取得できるか」と「育児休業給付金を受け取れるか」は別の制度です。
| — | 育児休業の取得 | 育児休業給付金 |
|---|---|---|
| 根拠 | 育児・介護休業法 | 雇用保険法 |
| 対象 | 労働者(要件あり) | 雇用保険の被保険者 |
雇用保険に加入していない働き方の場合、育児休業そのものは取得できても給付金は出ない、ということが起こります。
給付金の要件:被保険者期間12か月
育児休業給付金を受けるには、育児休業開始前2年間に、次の月が12か月以上あることが必要です。
- 賃金支払基礎日数が11日以上ある月
- (11日以上の月が12か月に満たない場合)就業した時間数が80時間以上ある月
週2〜3日の勤務でも、月に11日以上働いていれば1か月として数えられます。時間数で見る基準もあるため、短時間勤務でも満たせる場合があります。
2年の間に本人の疾病・負傷などで引き続き30日以上賃金の支払いを受けられなかった期間がある場合、その期間分だけ2年をさかのぼって数えられます(最大4年)。第1子の育休を挟んで第2子を出産した場合などが該当することがあります。
有期雇用に固有の要件
契約期間の定めがある働き方(有期雇用)の場合、育児休業の取得について追加の要件があります。
子が1歳6か月に達する日までの間に、労働契約が満了することが明らかでないことです。更新の可能性がある場合や、更新されないことが決まっていない場合は要件を満たします。
以前は「1年以上継続して雇用されていること」という要件もありましたが、2022年4月から撤廃されています。
労使協定で除外できる範囲
事業場で労使協定を結んでいる場合、次の労働者を育児休業の対象から除外できることとされています。
- 雇用された期間が1年未満の労働者
- 申出の日から1年以内(1歳6か月・2歳までの申出の場合は6か月以内)に雇用関係が終了する労働者
- 週の所定労働日数が2日以下の労働者
この協定があるかどうかは会社によります。就業規則や労使協定で確認できます。
雇用保険に入っていない場合
雇用保険の加入要件は、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあることです。これを満たさない働き方の場合、育児休業給付金は支給されません。
自営業・フリーランスは対象外です
育児休業給付は雇用保険の制度なので、雇用されていない働き方の方は対象になりません。健康保険の出産手当金も、国民健康保険には制度がないため支給されません。ただし国民年金には産前産後期間の保険料免除があり、国民健康保険料の減免を設けている自治体もあります。
日雇労働者・公務員の扱い
日雇労働被保険者は育児休業給付の対象外です。また公務員は雇用保険の適用を受けないため、雇用保険からの育児休業給付ではなく、それぞれの共済組合等の制度から育児休業手当金が支給される仕組みになっています。
まとめ
- 「育休を取れるか」と「給付金が出るか」は別の制度
- 給付金は、開始前2年に賃金支払基礎日数11日以上の月が12か月以上あることが要件
- 有期雇用は、1歳6か月までに契約満了が明らかでないことが必要
- 労使協定により、雇用1年未満や週2日以下の労働者を除外している場合がある
- 雇用保険に加入していない働き方では給付金は支給されない
ふたりの月給と育休の取り方を入れると、育児休業給付金・出生後休業支援給付金・出産手当金の合計と、社会保険料の免除額を計算できます。
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この記事の位置づけ
雇用保険法・健康保険法の育児休業に関するの一般的な内容を整理したもので、個別の事案について結論を示すものではありません。就業規則や労使協定、加入している健康保険の定めによって取り扱いは変わります。実際の判断が必要な場合は、勤務先の担当部署か、所轄の労働基準監督署・総合労働相談コーナーにご相談ください。
参考・出典
※2026年9月時点の法令・公表資料にもとづいています。支給限度額は毎年8月1日に見直されます。記事内の金額は当サイトの独自試算で、実際の支給額は直近6か月の賃金や標準報酬月額によって変わります。