計算例

出産手当金の計算:産前42日・産後56日にいくら支給されるか

更新日:2026-09-17

出産手当金は健康保険から支給される給付です。雇用保険から出る育児休業給付金とは別の制度で、対象になる期間も計算方法も違います。

育児休業給付金との違い

項目出産手当金育児休業給付金
制度健康保険雇用保険
対象期間産前42日・産後56日産後休業のあと〜原則1歳まで
計算の基礎標準報酬月額休業開始前6か月の賃金
支給率3分の2(約66.7%)67%/50%
課税非課税非課税

母親の場合、出産の前後は出産手当金、産後休業が終わってからは育児休業給付金、という順につながります。

対象になる期間

  • 産前42日(出産予定日以前42日。多胎妊娠の場合は98日)
  • 産後56日(出産の翌日から56日)

合わせて98日です。この期間のうち、会社を休んで給与の支払いがなかった日について支給されます。

計算方法

1日あたりの額は、次の手順で計算します。協会けんぽの手順に合わせたものです。

1日あたりの出産手当金

① 支給開始日以前12か月の各月の標準報酬月額を平均する
② ①を30で割る(10円未満を四捨五入
③ ②に3分の2を掛ける(1円未満を四捨五入

標準報酬月額の平均が30万円の場合

② 300,000 ÷ 30 = 10,000円
③ 10,000 × 2/3 = 6,667円(1日あたり)

98日分 … 6,667 × 98 = 653,366円

加入期間が12か月に満たない場合は、支給開始日の属する月以前の各月の標準報酬月額の平均と、保険者が定める額とを比べて低いほうを使う、といった調整があります。

出産が予定日とずれた場合

産前42日は出産予定日を基準に数え、産後56日は実際の出産日の翌日から数えます。

  • 遅れた場合 … 予定日から実際の出産日までの日数が産前に加算されます。合計日数は98日より多くなります
  • 早まった場合 … 産前の日数が短くなります。合計日数は98日より少なくなります

給与が支払われた場合

休んでいる期間に給与が支払われた場合、その額が出産手当金の日額より少なければ差額が支給されます。日額以上であれば支給されません。

会社によっては産休中に給与の一部を支払う制度があるため、その場合は差額での支給になります。

対象になる人

出産手当金は健康保険の被保険者本人が対象です。次の点に注意が必要です。

扶養に入っている場合は対象になりません

配偶者の健康保険の被扶養者として加入している場合、出産手当金は支給されません。被保険者本人であることが要件です。国民健康保険の加入者も対象外で、自営業やフリーランスの方には支給されません。

なお、出産育児一時金(出産費用に対する給付)は被扶養者でも支給されます。出産手当金とは別の給付です。

社会保険料は産休中も免除される

産前産後休業の期間も、健康保険・厚生年金保険の保険料が免除されます。育休中の免除とは別の手続(産前産後休業取得者申出書)が必要です。

この期間も、年金額の計算では保険料を納めたものとして扱われます。

申請と振込の時期

申請は産後56日が経過してからまとめて行うのが一般的です。事業主の証明と医師・助産師の証明が必要になります。

申請から振込まで1〜2か月かかることが多いため、出産から実際に受け取るまでには時間があります。育児休業給付金も後払いなので、その間の生活費は手元に用意しておくと見通しが立てやすくなります。

まとめ

  • 健康保険から産前42日・産後56日について支給される
  • 標準報酬月額の平均 ÷ 30(10円未満四捨五入)× 2/3(1円未満四捨五入)が1日あたりの額
  • 産前は出産予定日、産後は実際の出産日の翌日から数える
  • 被保険者本人が対象。扶養に入っている人や国民健康保険の加入者は対象外
  • 産休中も社会保険料は免除される

ふたりの月給と育休の取り方を入れると、育児休業給付金・出生後休業支援給付金・出産手当金の合計と、社会保険料の免除額を計算できます。

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この記事を書いた人

都内在住。Web制作・デザインに20年以上携わり、現在はインハウスでWeb制作や改善業務に関わっています。育児休業の制度が数年おきに変わるため、雇用保険と健康保険のどちらから何が出るのかを自分で整理したものを発信しています。

この記事の位置づけ

雇用保険法・健康保険法の育児休業に関するの一般的な内容を整理したもので、個別の事案について結論を示すものではありません。就業規則や労使協定、加入している健康保険の定めによって取り扱いは変わります。実際の判断が必要な場合は、勤務先の担当部署か、所轄の労働基準監督署・総合労働相談コーナーにご相談ください。

参考・出典

※2026年9月時点の法令・公表資料にもとづいています。支給限度額は毎年8月1日に見直されます。記事内の金額は当サイトの独自試算で、実際の支給額は直近6か月の賃金や標準報酬月額によって変わります。