初心者ガイド

給与明細の見方|控除欄に並ぶ項目をひとつずつ解説

更新日:2026-09-14

毎月受け取る給与明細は、大きく3つのブロックに分かれています。この構造がわかると、「何がいくら引かれて手取りになっているのか」を自分で追えるようになります。

給与明細は3つのブロックでできている

ブロック内容
勤怠出勤日数、欠勤、残業時間、有給休暇の残日数など
支給基本給、役職手当、残業代、通勤手当など。合計が総支給額
控除社会保険料と税金。合計が控除合計

総支給額 − 控除合計 = 差引支給額。この差引支給額が、実際に振り込まれる手取りです。

控除欄の項目をひとつずつ

健康保険料

病院で3割負担になるための保険です。協会けんぽの場合、2026年度の全国平均は9.90%で、会社と折半するため本人負担は4.95%です。組合健保の場合は組合ごとに料率が違います。

2026年4月からは、これに子ども・子育て支援金(0.23%、本人負担0.115%)が加わりました。明細上は健康保険料と合算されているか、別項目で表示されているかは会社によって異なります。

介護保険料

40歳になった月から64歳までだけ天引きされます。2026年度は1.62%(本人0.81%)です。40歳の誕生日の前日が属する月から徴収が始まるため、「急に手取りが減った」と感じる人が多い項目です。

厚生年金保険料

将来の老齢厚生年金のための保険料で、料率は18.30%で固定(本人9.15%)。2017年9月以降、引き上げは行われていません。控除額の中では最も大きくなることが多い項目です。

雇用保険料

失業給付や育児休業給付の財源です。2026年度は一般の事業で本人負担0.5%。他の社会保険と違い、標準報酬月額ではなく実際の支給額にかかります。

所得税

その月の給与から源泉徴収される仮の税額です。「源泉徴収税額表」にあてはめて計算され、扶養親族の人数で変わります。年末調整で1年分を精算するため、12月の明細では還付(マイナス表示)になることがあります。

住民税

前年の所得に対して計算された税額を、6月から翌年5月までの12回に分けて天引きします(特別徴収)。当年の収入とは連動しないため、転職や収入が減った年には負担が重く感じられることがあります。

新卒1年目に住民税が引かれていないのはなぜ?

住民税は前年の所得にかかるため、働き始めた年は課税対象の所得がありません。2年目の6月から天引きが始まります。1年目と2年目で手取りが変わるのはこのためです。

支給欄で見ておきたいこと

支給欄のうち、通勤手当(月15万円までの非課税分)は所得税・住民税の計算対象になりません。一方で、社会保険料の計算には含まれます。「課税支給額」と「社会保険料の対象額」が違うのはこのためです。

源泉徴収票の「支払金額」に非課税の通勤手当は含まれないので、年収を聞かれたときにどの数字を答えるかで金額がずれることがあります。

確認しておきたいタイミング

  1. 9月の明細:4〜6月の給与をもとに決まった標準報酬月額が反映され、社会保険料が変わります
  2. 40歳になった月:介護保険料の徴収が始まります
  3. 6月の明細:住民税が新しい年度の金額に切り替わります
  4. 12月の明細:年末調整の結果が反映され、所得税が還付または追加徴収されます
  5. 昇給・異動の後:給与が大きく変わると、随時改定で社会保険料が見直されることがあります

よくある質問

Q. 残業代が増えた月に、社会保険料はすぐ増えますか?

すぐには増えません。社会保険料は原則として4〜6月の給与をもとに決めた標準報酬月額で1年間固定されます。ただし固定的賃金の変更で2等級以上動いた場合は、随時改定で見直されます。

Q. 控除合計が総支給額の何割くらいだと普通ですか?

年収によって変わりますが、年収300万円台で約20%、500万円台で約21%、800万円台で約26%が目安です。扶養家族がいる場合は税金部分が減るため、割合は下がります。

Q. 明細に見覚えのない控除項目があります

財形貯蓄、社宅費、組合費、団体保険料など、会社独自の控除が入っていることがあります。社会保険料・税金以外の項目は、給与担当部署に確認するのが確実です。

まとめ

  • 給与明細は勤怠・支給・控除の3ブロック。総支給額 − 控除合計 = 手取り
  • 控除は社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険)税金(所得税・住民税)の2種類
  • 介護保険は40歳から、住民税は前年所得にもとづき6月から切り替わる
  • 所得税は仮の金額で、12月の年末調整で精算される

控除の内訳がどのくらいの金額になるのかは、年収を入れると確認できます。健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税をそれぞれ分けて表示します。

年収手取り計算機で計算する →

登録不要・完全無料/入力データは外部に送信されません

この記事を書いた人

都内在住。Web制作・デザインに20年以上携わり、現在はインハウスでWeb制作や改善業務に関わっています。家計の見直しや住宅ローンの借り換えを自分で経験するなかで、手取りベースで考えることの大切さを実感してきました。公開情報をもとに、お金の仕組みをできるだけわかりやすく整理して発信しています。

参考・出典

※記事内の試算は当サイトの独自試算です(2026年度の料率・令和8年分の税制にもとづく概算)。社会保険料の等級、健康保険組合ごとの料率差、自治体ごとの住民税の差、個人ごとの各種控除は反映していません。