不安解消

転職したら手取りが減った?切り替えのときに起きること

更新日:2026-09-14

年収が上がる転職をしたのに、しばらく手取りが思ったほど増えない。あるいは退職後にまとまった請求が来る。転職の前後には、給与そのものとは別の要因で手元のお金が動きます。

起きることを時系列で整理する

タイミング起きること
退職時住民税の残額が一括徴収される場合がある
空白期間国民健康保険・国民年金を自分で負担する
入社直後社会保険料が見込み額で決まる/住民税は普通徴収のまま
翌年6月前職の所得にもとづく住民税が給与天引きに戻る

住民税は退職月によって扱いが変わる

住民税は前年の所得にもとづく年税額を、6月から翌年5月の12回に分けて天引きしています。退職するとこの分割が続けられなくなるため、残りをどう納めるかが問題になります。

退職時期原則の扱い
1月〜5月に退職5月までの残額を最後の給与から一括徴収
6月〜12月に退職残額は普通徴収(自宅に納付書が届き自分で納付)。本人の希望で一括徴収も可能

最後の給与が想定より少なくなることがある

年収500万円だった方の住民税は年約24万円です。3月に退職した場合、4月・5月分が最後の給与からまとめて引かれます。退職金や有給消化分を見込んでいると、差額に驚くことがあります。

転職先が決まっていて手続きをすれば、新しい勤務先で天引きを継続できる場合もあります(給与支払報告に係る特別徴収への切替届出書)。

社会保険は「月末に在籍しているか」で決まる

健康保険・厚生年金の保険料は、その月の末日に被保険者かどうかで発生します。

  • 月末日に退職:その月の保険料がかかる(翌月分から新しい勤務先)
  • 月の途中で退職:その月の保険料はかからない

たとえば3月31日退職なら3月分の保険料がかかり、3月30日退職ならかかりません。ただし月途中で退職して次の就職までに空白がある場合、その月は国民健康保険・国民年金を自分で納めることになります。どちらが有利かは空白期間の長さによって変わります

空白期間がある場合の負担

制度内容
国民健康保険前年の所得にもとづく保険料。会社員時代の労使折半がなくなるため負担感が増す
任意継続被保険者退職前の健康保険を最大2年継続。保険料は全額自己負担(上限あり)
国民年金2026年度は月額約1.7万円の定額。免除・納付猶予の制度もある

国民健康保険と任意継続はどちらが安いか一概に言えないため、退職前に自治体と健康保険組合の両方で試算を確認しておくと選びやすくなります。

入社直後の社会保険料

入社時は、見込みの報酬額から標準報酬月額が決まります(資格取得時決定)。実際の残業代などが見込みと違っても、原則として次の定時決定(毎年4〜6月の平均で決定、9月から適用)まで変わりません。固定的賃金が変わって2等級以上動いた場合は随時改定の対象になります。

「年収は上がったのに」と感じる理由

  1. 住民税が前職ベース:転職した年の住民税は前年(前職)の所得にもとづく金額です
  2. 賞与の有無:入社初年度は賞与が出ない、または査定期間が短く減額されることが多く、年収ベースでは想定より下がります
  3. 手当の構成が違う:住宅手当・家族手当などが基本給に含まれる形だと、額面が同じでも手取りの感覚が変わります
  4. 健康保険組合の料率差:協会けんぽと組合健保では料率が異なります

よくある質問

Q. 退職後、失業給付をもらうと税金はかかりますか?

雇用保険の基本手当(失業給付)は非課税です。所得税・住民税はかからず、翌年の住民税の計算にも含まれません。ただし健康保険の扶養に入る際の収入要件では、収入として扱われる点に注意が必要です。

Q. 転職先で年末調整を受けられますか?

その年に前職の給与がある場合、前職の源泉徴収票を転職先に提出すると合算して年末調整が受けられます。提出できない場合は自分で確定申告をすることになります。

Q. 退職金にも税金はかかりますか?

退職所得控除(勤続20年までは1年あたり40万円、20年超は70万円)を差し引き、残額の2分の1に課税されます。控除が大きいため、勤続年数が長いほど税負担は軽くなります。

まとめ

  • 1〜5月の退職は住民税が一括徴収、6〜12月は普通徴収が原則
  • 社会保険料は月末に在籍しているかで発生が決まる
  • 空白期間は国民健康保険・国民年金を自己負担。任意継続との比較が必要
  • 転職した年の住民税は前職の所得ベースのまま
  • 初年度は賞与が少なくなりやすく、年収ベースでは想定を下回ることがある

転職前後の年収で手取りを比べると、額面の差がどのくらい手元に残るかを確認できます。

年収手取り計算機で計算する →

登録不要・完全無料/入力データは外部に送信されません

この記事を書いた人

都内在住。Web制作・デザインに20年以上携わり、現在はインハウスでWeb制作や改善業務に関わっています。家計の見直しや住宅ローンの借り換えを自分で経験するなかで、手取りベースで考えることの大切さを実感してきました。公開情報をもとに、お金の仕組みをできるだけわかりやすく整理して発信しています。

参考・出典

※記事内の試算は当サイトの独自試算です(2026年度の料率・令和8年分の税制にもとづく概算)。社会保険料の等級、健康保険組合ごとの料率差、自治体ごとの住民税の差、個人ごとの各種控除は反映していません。