日本の離婚統計
件数・離婚率・熟年離婚と卒婚の背景
公開日:2026-04-10 更新日:2026-09-26
離婚の件数は2002年をピークに減ってきましたが、同居期間20年以上の「熟年離婚」が全体に占める割合は高い水準にあります。
この記事では、厚生労働省の人口動態統計を中心に数字を整理し、卒婚という選択肢が広がった背景と合わせて紹介します。
離婚件数と離婚率の推移
人口動態統計によると、離婚件数は2002年の約29万件をピークに減少してきました。婚姻件数そのものが減っていることも影響しています。
| 年 | 離婚件数 | 離婚率(人口千対) |
|---|---|---|
| 2002年 | 約29万件(ピーク) | — |
| 2023年 | 183,814件 | 1.52 |
| 2024年(概数) | 185,895件 | 1.55 |
2024年は前年より約2,000件増えています。離婚率は人口1,000人あたりの離婚件数で、国や年の比較に使われる指標です。
熟年離婚(同居期間20年以上)
同居期間20年以上の夫婦の離婚は、いわゆる熟年離婚と呼ばれます。2022年には約3万9千件で、同居期間が不詳のものを除いた全体の23.5%となり、過去最高の割合になったと報じられています。離婚全体の件数が減る中で、熟年離婚の件数は高止まりしているため、割合が上がる形になっています。
背景としては、高齢化で結婚生活の後半が長くなったこと、女性の就業が広がったことなどが挙げられています。2007年に始まった年金分割制度も、婚姻期間が長い夫婦の離婚後の収入に関わる制度として、あわせて語られることが多い要素です(年金分割)。
熟年離婚で論点が増える理由
同居期間が長い夫婦の離婚では、若い世代の離婚に比べて、話し合う財産の種類が増えます。
- 退職金(受け取り済みか、これから受け取るか)
- 年金分割(婚姻期間が長いほど分割の対象になる記録が多い)
- 住宅ローンを完済した自宅、または残債のある自宅
- 老後の住まいと、一人になった後の生活費
統計で熟年離婚の割合が高いことは、こうした論点を抱える離婚が一定の割合を占めていることを示しています(財産分与・退職金)。
離婚の種類
離婚の方法別に見ると、およそ9割が夫婦の話し合いによる協議離婚で、残りの多くが家庭裁判所の調停離婚です。審判・和解・判決などによる離婚は少数です。手続きの流れと費用は離婚の手続き・費用・時期で整理しています。
子どもと再婚に関する数字
人口動態統計の「親が離婚した未成年の子」は、2022年4月の成年年齢引き下げ以降は18歳未満の子を数えています(それ以前は20歳未満の未婚の子)。年によって集計の対象が違うため、長い期間で比べるときは定義の変わり目に注意が必要です。
再婚については、婚姻件数のうち夫婦の一方または双方が再婚のケースが約4分の1(2023年で約26%)を占めています(離婚後の再婚)。
「3組に1組が離婚」の読み方
「3組に1組が離婚する」という言い方は、ある年の離婚件数を同じ年の婚姻件数で割った数字から来ていることが多いものです。その年に離婚した夫婦の多くは、何年も前に結婚した夫婦なので、同じ年に結婚した夫婦の3組に1組が離婚するという意味ではありません。離婚の多さを比べるときは、人口あたりの離婚率や、結婚した年ごとに追いかけた数字を見るほうが、何を数えているかがはっきりします。
卒婚が注目される背景
卒婚は、法律上の婚姻を続けたまま別々の生活を送る選択です(卒婚とは)。造語で法律上の定義はありませんが、2010年代以降にメディアで取り上げられ、40〜60代の夫婦の間で知られるようになりました。広がった背景として、次のような変化が挙げられています。
人生の後半が長くなった
2023年の平均寿命は女性87.14歳、男性81.09歳です。子育てが終わった後も20〜30年の生活が続くため、その期間の過ごし方を夫婦で考え直す人が増えたとされています。
女性の就業の広がり
15〜64歳の女性の就業率は7割を超える水準にあります。経済的に自立した女性が増えたことで、生活の形を選び直す余地が広がったと解説されています。
「家族の形」の考え方の変化
「結婚したらずっと同居して共同生活を送る」という考え方だけでなく、別居婚や卒婚のように、関係を保ちながら生活の距離を調整する形も受け入れられるようになってきました。
卒婚を考え始めるきっかけとして挙げられること
- 子育てが終わり、夫婦2人になったときに価値観の違いを感じた
- 定年退職で家にいる時間が増え、生活のリズムが合わなくなった
- 自分のやりたいことに時間とお金を使いたい
- 離婚も考えたが、相続など婚姻にともなう扱いは残したい
- 友人のような関係として続けたい
離婚への受け止め方の変化
かつてに比べると、離婚を個人の選択として受け止める考え方は広がってきたと言われます。ひとり親家庭が珍しくなくなったこと、離婚を経験した人が自分の体験をSNSやメディアで発信するようになったことも、受け止め方の変化に関わっていると考えられています。
一方で、受け止め方には世代・地域・職場による違いが残るという指摘もあります。周囲の反応が気になる場合は、職場の制度(扶養や手当の手続き)や子どもの学校への連絡など、実務上必要な範囲を先に確かめておくと、誰に何を伝えるかを整理しやすくなります。
統計を見るときの注意
- 概数と確定数:人口動態統計は、まず概数が公表され、後に確定数で置き換わる。数字がわずかに違うことがある
- 届出の年:統計は届け出た年で数えるため、別居や話し合いが始まった年とは一致しない
- 卒婚は数えられない:婚姻が続いているため、卒婚している夫婦の数は人口動態統計には表れない
人口動態統計の数字は、厚生労働省の「人口動態調査」のページや、政府統計の総合窓口(e-Stat)の「人口動態統計 確定数 離婚」の表で、年次・同居期間・離婚の種類などの切り口ごとに確かめられます。
統計は社会全体の傾向を示すもので、一つひとつの家庭の判断を決めるものではありません。自分の家庭で何が変わるかは、財産・年金・住まいの数字で確かめることができます。
制度の一般的な仕組みと、判断に使える数字を整理したものです。個別の事情でどう扱われるかは、弁護士・法テラス・年金事務所・税務署・自治体の窓口などで確認できます。
統計の数字は厚生労働省の人口動態統計と、それを伝えた報道によります(2026年9月時点)。熟年離婚の割合は、同居期間が不詳のものを除いた比率です。
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