卒婚が増えている理由|社会背景と統計データから読み解く

卒婚とは何か:改めて定義する

卒婚とは、法的な婚姻関係を維持したまま、夫婦が別々の生活を送る選択です。「婚姻を卒業する」という意味合いを持ち、法的に離婚するほどではないが、同居・共同生活から自立したいという人が選ぶ生き方です。

造語であり法律上の定義はありませんが、2010年代以降メディアで広く取り上げられるようになり、特に40〜60代の夫婦の間で認知度が高まっています。

熟年離婚の増加と卒婚の関係

厚生労働省「人口動態統計2023年」によると、同居期間20年以上の離婚件数は年間約4万件(全離婚件数の約20%)に達しています。これは1990年代比で約1.5倍に増加しています。卒婚はこの熟年離婚予備軍の一部が「完全な離婚はしたくないが現状も変えたい」という折衷案として選ぶ形態ともいえます。

女性の経済的自立が背景に

内閣府「男女共同参画白書2023年版」によると、女性の就業率は2023年時点で70%を超え、過去最高水準を更新しています。経済的に自立した女性が増えた結果、「経済的に夫に依存せざるを得ない」という制約がなくなり、自分のペースで生活したいという選択が現実的になってきています。

平均寿命の延伸と「人生後半」の長さ

日本人の平均寿命は女性87歳・男性81歳(2023年)。60歳で子育てが終わっても、その後20〜30年の生活があります。子育て・家事で自分の時間を犠牲にしてきた世代が「残りの人生は自分のために生きたい」と思うのは自然な感情です。離婚という選択ではなく、卒婚という形で関係を再設計するニーズが高まっています。

価値観の多様化と「家族の形」の変化

従来の「結婚=ずっと同居して共同生活」という固定観念が崩れ、「自分らしい関係を選ぶ」という価値観が広まっています。離婚への社会的スティグマが弱まり、より緩やかな「別居婚」「卒婚」という選択肢が許容されてきています。

卒婚を考え始めるきっかけ

参考資料

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