退職金は離婚で分割される?財産分与の対象と計算方法
退職金は財産分与の対象になる?
離婚における財産分与とは、婚姻中に夫婦が共同で築いた財産(共有財産)を分配する手続きです。退職金は「婚姻期間中の労働への対価」とみなされるため、その婚姻期間相当分が財産分与の対象となります。
ただし「すでに受け取った退職金」と「まだ受け取っていない将来の退職金」では扱いが異なります。
すでに受け取った退職金の場合
離婚時点ですでに退職金を受け取っており、その一部が残っている場合は、残額の婚姻期間按分分が財産分与の対象となります。すでに生活費として使いきっている場合は、財産として残っていないため分与の対象にならないのが原則です。
将来受け取る退職金の場合
退職前に離婚する場合、将来の退職金が財産分与の対象になるかどうかは、退職の見込み(蓋然性)によります。最高裁判例では「退職まで相当年数がある場合でも、退職金の支払いが見込まれるなら財産分与の対象になりうる」とされています。
一般的には退職まで5〜10年以内であれば対象として認められやすく、それ以上離れている場合は支払いを退職時まで猶予する取り決めにするケースもあります。
退職金の計算方法:婚姻期間按分方式
最も広く使われる計算式は以下です:
財産分与対象額退職金見込み額 × 婚姻期間 ÷ 勤続年数 × 1/2
例:退職金見込み額2,000万円・婚姻期間20年・勤続年数30年の場合
計算2,000万円 × 20年 ÷ 30年 × 1/2 = 約667万円
この667万円が配偶者が受け取れる財産分与額の目安です。ただし他の財産との調整や、寄与度・個別事情によって変わります。
退職金分与の支払い方法
将来の退職金を分割する場合、支払い方法も取り決める必要があります。主なパターンは以下のとおりです:
- 離婚時に他の財産(預貯金など)で清算する
- 退職時に支払う(公正証書で確約する)
- 月払い等に分割して支払う
退職時払いにする場合、相手が実際に退職するか・退職金が見込み通り出るかというリスクがあります。公正証書化により強制執行が可能になるため、必ず書面化することが重要です。
注意すべきポイント
- 退職金の財産分与は税務上の問題が生じる場合がある(専門家に確認を)
- 婚前から勤続している場合、婚前の期間は原則として分与対象外
- 確定拠出年金(iDeCo含む)は別途財産分与の対象になりうる
参考資料
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